0513 高校数学

浅野です。

Kさんはとにかく微分です。公式を丸暗記してただ適用するだけではおもしろくありませんし、長期的に見ると大きな労力がかかります。ここは自分の身につくように公式を証明しておきましょう。そうするといざというときに応用がきいて強いです。

今回は商の導関数を原理的に求めましょう。

目標は{1/g(x)}’を求めることです。g(x)としていることに深い意味はありません。f(x)でもh(x)でも何でもいっしょです。

最初のとっかかりが恣意的ではありますが、{g(x)・1/g(x)}’という積の導関数を求めてみます。

 {g(x)・1/g(x)}’
=g'(x)・{1/g(x)}+g(x)・{1/g(x)}’

g(x)・1/g(x)は計算すると1になるので{g(x)・1/g(x)}’は(1)’=0となります。そこで先ほどの最後の式を=0とおきます。

g'(x)・{1/g(x)}+g(x)・{1/g(x)}’=0
g(x)・{1/g(x)}’=-g'(x)/g(x)
{1/g(x)}’=-g'(x)/{g(x)}^2

これで商の導関数を求めるという目標を達成しました。

これを使ってさらに{f(x)/g(x)}’を求めることは比較的簡単です。これは{f(x)・1/g(x)}’という積の導関数だとみなします。

 {f(x)・1/g(x)}’
=f'(x)・{1/g(x)}+f(x)・{1/g(x)}’
=f'(x)・{1/g(x)}+f(x)・[-g'(x)/{g(x)}^2]
={f'(x)・g(x)-f(x)・g'(x)}/{g(x)}^2

です。分数表記が見づらくてすみません。自分の手でやってみると意外と簡単です。

Cさんからはちょっとした計算で間違うことが多いという悩みを相談されました。これまでにも何度か同じような相談をされています。なるべく工夫して計算したり、自分の間違いやすいポイントをはっきりさせるといったことが大事とは言えますが、基本的には練習するしかないでしょう。こちらも今一度意識を高めて練習プリントなどを用意するようにします。

行列については、連立方程式と図形の一次変換が同じような数字の羅列、つまり行列で扱うことができるのがすごいことだと思います。単純な反復作業に持ち込むことができるのでコンピュータで扱うのに最適でしょう。こう考えると行列により親しみを持てるはずです。