「西遊記を読む」(ことば5~6年2019/1024)

福西です。

『西遊記(下)』(渡辺仙州翻案、偕成社)の最終章、「22 闘戦勝仏」の途中(p190)まで読みました。

一行は、いよいよ西天の雷音寺に到着しました。そこで釈迦如来に出迎えられます。

「よくぞここまでたどりついた。ここに、三蔵の経典を授けよう。天を談ずる<法>が一蔵、地を説く<論>が一蔵、そして亡者を救済する<経>が一蔵だ。ぜんぶで三十五部、一万五千一百四十四巻ある。」

その中から何巻か与えようと言い、釈迦如来は、弟子に命じて三蔵たちを書庫へ案内させます。しかし釈迦如来の弟子は、すぐには経典を渡してくれません。なんと袖の下を要求し、怒った悟空とただちに険悪なムードになります。

釈迦如来のお膝元でこんなことがありえるのか、唐突な印象というのが素直な感想でした。果たしてどのような終わりが待っているのでしょうか。次回をお楽しみに。

 

【追伸】

次のテキストは、以下の三つのどれかを考えています。

1『三国志 1』(渡辺仙州翻案、偕成社)

2『クマのプーさん』(ミルン、石井桃子訳、岩波少年文庫)

3『ムギと王さま』(ファージョン、石井桃子訳、岩波少年文庫)

1は『西遊記』と同じ翻案者です。読みやすさとテンポのよさは、すでに『西遊記』でご承知だと思います。ただし『三国志』は全4巻。そのうちの1巻を読むことになります。

冬学期の回数を考慮して挙げるのが、2と3です。

短編集なので、どこではじめてどこで終わっても大丈夫です。石井桃子の名訳が魅力です。とくに『クマのプーさん』は、他の媒体で有名すぎて、実際に原作を読んだことのないものの一つだと思います。