福西です。

『はてしない物語』(エンデ、上田真而子ら訳、岩波書店)の「Ⅺ 女王幼ごころの君」を読みました。

受講生が本の天を覗いて、「もう半分まできた!」と感慨深そうに言いました。

アトレーユは、女王幼ごころの君についに報告を終えました。しかし女王は、アウリンを通じてすでにそのことをほぼ知っていました。アトレーユは自分がしたことは無意味だったのかと女王を非難します。女王はおだやかにそれに答えます。アトレーユの報告ではなくて、アトレーユのなした行動自体が、「人の子を連れてきたのだ」と。

「どこに?」とアトレーユは振り向きます。けれども後ろには誰もいません。

アトレーユと女王は、「人の子」を待ちます。

女王は、グモルクの言っていたことは真実の半面だと言います。もう半面があるのだと。人間とファンタージエンの存在の行き来する道の一つはたしかに、虚無。けれども、もう一つあって、それは、本だと。虚無を通じて、二つの世界は互いに荒廃すけれど、本を通じて、また互いを癒し合い、豊かにすることができるのだと。

本の中でなされる女王とアトレーユの会話に、バスチアンは「そんなはずが……」と驚きます。自分に向けて話されていることに気付いても、彼は自分のコンプレックスから、「自分が出ていったら、きっと二人をがっかりさせるだろう」と躊躇しているのでした。

けれども一瞬、バスチアンは女王を目の前に見、女王もまたバスチアンを見たのでした。女王は「その時、彼は新しい名前を私に付けることを約束した」と言います。それでも、バスチアンは返事をまだためらいます。

女王は「使いたくはなかったけれど」という方法で、バスチアンを呼ぶことに決めます。

次回は「さすらい山の古老」。この章の後、赤の字で書かれた部分が、緑一色になります。アトレーユの章が終わり、バスチアンの章がまもなく始まります。

P.S.

受講生のFちゃんが、「二つの円」を描いて、その「接点」でバスチアンの様子を表してくれました。(写真は私が代理で書いたもの)

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