かず1~2年A(1002)

福西です。この日は、「まちがい探し」と「一筆書き迷路」をしました。

 

(まちがいさがしに集中しているところ。合言葉は、「ねばる」です)

 

お次は、一筆書き迷路をしました。今回からの新しい取り組みです。次のルールを守って、スタートからゴールします。

 

1)障害物はよける。

2)障害物以外の通れるところはすべて通る。

3)同じところを通ってはいけない。

 

1)と2)はすぐに分かるのですが、3)がやっかいです。つまり自分の通ってきた道もまた「障害物」扱いとなり、下手をするとあちこちに袋小路ができてしまうからです。そうなってしまうと、せっかくゴールできそうでも、やり直しになってしまいます。このことが頭を悩ませます。おそらく今までのパズルの中では一番難しい部類だと思います。(見た目に比して、なおさら難しく感じるはずです)

 

(一筆書き迷路の例)

 

普通の迷路には、「先読み」の力が必要になります。つまり、分かれ道では、その都度、目線を遠くへやり、それぞれの先が行き止まりになっていないかどうかを、ある程度知ることがポイントです。この先読みができるようになってくると、たどり方もきれいになってきます。

 

さて、一筆書き迷路では、もう一つレベルの高いことをしています。つまり、その都度、立ち止まって、「もしこっちを行けば、ここに行き止まりができてしまう。だから、そうならないためにはこっちを通るしかない」というように、「必然」を考える力を養うことになります。

 

上の例を使って、どんなふうにするか見てみます。

 

スタートから右に1歩出たところで、いきなり選択肢があらわれます。つまり、赤線の選択は、×のところに「行き止まり」を作ってしまうことになります。(そこを通ろうとすると、今度はゴールにたどり着けなくなってしまう)。なので、右にまっすぐ進むことが正解です。(今は二択なので、それが必然です)。

 

このようにジグザグしながら通って、ゴールするのが正解となります。やってみると分かるのですが、大人でも結構難しいと思います。(なお1~2年生のこのクラスでは、もう少し易し目のものを出しています)

 

さて、「行き止まりを作らないこと」は、慣れないうちはやっかいに感じますが、慣れてくると、それを「逆手」にとることを覚えるようになります。たとえば、壁際や、一本道など、一通りしか可能性のない場所からまず埋めていく、という方法を思いつきます。そうすると、だいぶ楽になります。つまり、パズルにとっての「制約はヒント」です。(それがおいおい分かるようになってもらえるだけでも、たいした収穫だと思います。その感性を磨けば、文章題にも十分応用できます)

 

(実はこの迷路、迷路の顔をしながら、迷路ではないのです(笑))

もちろん、生徒たちの気分としては、迷路の延長ではじめたパズルなので、最初のうちは一本線であっち行ったりこっち行ったりしながら考えるのでかまいません。慣れてきたところで、上のような裏技を身につけてもらおうと考えています。

 

生徒たちは案の定、最初は、普通の迷路のようにゴールまで一直線にたどって、ルールに引っかかっていました。そして二、三度やり直しても、また別の箇所が通れなくなり、「あちらが立てばこちらが立たぬ」という状況に、イライラッとなっていたようでした(笑)。

 

ですが、そのうちに、なるべくまっすぐは避けてジグザグに通れば良いこと、壁際では隅っこを残さないようにすること、など、自然とルールのいわんとすることが板についてきたようでした。1問目は10分かかりましたが、同じ難易度の第2問では、ものの2~3分でできてしまうといった、目覚しい成長ぶりです。

 

このあと、ドリルを少ししてから、最後に『Domemo』というパズルをしました。

 

 

(「1」が1枚、「2」が2枚…「7」が7枚あります)

 

「4はありますか?」

「ブー、ありまっせーん」

「ムムム…」

 

なお二人プレーだと、次のような配置になります。

 

・自分の板 

・相手の板 

・場の板(表向け) 

・伏せられた板 

 

さて、相手の板は見えますが、自分の板は見えません。それがお互いの状況です。そこで、自分の板が何であるかを言い当てます。言い当てることのできた板は、場に表向けて置きます。そして自分の手元の板が先になくなった人が勝ち、というゲームです。

 

相手の板や、場の板といった見える数字はすべてヒントになります。それを1が1枚…7が7枚という前提と照合しながら、「可能性の高いものは何か」を推理します。

 

また、相手の発言のログもまた重要な情報源です。たとえば、

 

「1はありますか?」

と相手がたずねたということは、相手は、「1の板はこちらからは見えていません。つまり、あなたの板には1がありませんよ」と教えてくれていることになります。1は1枚しかないからです。もし(相手の板に)見えていたら、それを(自分の側に)「ありますか?」と言うはずはないからです。(それがフェイントでない限り)

 

また、場に「7」があまり出ていないのに、相手が「なかなか7を言わない」としたら、どうでしょうか。

7は一番確率が高いにもかかわらず、です。それは、つまり、相手から見れば「7の確率が低い」ことに他なりません。ということは逆に、自分の側に7がたくさんある(それが相手には見えている)ことを意味しています。

 

このように推理するのが面白いゲームなのですが、ただ他のクラスでもした時に思ったことは、「連続当て」を許すと、すぐにゲームが終わってしまうということです。そこで、ハウスルールとして連続3回まで、といった制限を設けました。その方がたぶん面白くなると思います。

 

このクラスでは、はじめてしたのですが、Sちゃんがめっぽう強かったです。3回やって3回とも勝ち、見事「女王」の座に輝いていました。H君と私の男連中は、リベンジといったところでしょうか(笑)