『かず』1〜2年、『高校数学』 A・B・ Cクラス便り(2019年2月)

山びこ通信2018年度号(2019年2月末発行)より下記の記事を転載致します。

『ことば』2〜3年、山の学校ゼミ『調査研究』/『倫理』

担当 浅野 直樹

これは平成15年度の京都府公立高校入試問題です。問題の意味は小学生にも理解できる一方、高校数学の漸化式を用いた問題であるとも言えます。
でたらめに数え上げても注意深さと根性さえあれば正解にたどり着けるかもしれません。しかしそれだと答えに確信が持てません。
それでは論理的に答えを導きます。

(1) がよい誘導になっています。n=4 のとき、Ⅰ 図の点線内のはり方は n=3のときの3 通り、Ⅱ 図の点線内のはり方は n = 2のときの 2 通りで、合計5通りになります。同じように考えると、n = 5 のときは、n = 4 のときの5通りと n = 3のときの3通りを足した8通り、 n = 6のときは、n = 5のときの8通りと n = 4のときの5通りを足した 13 通りです。(1)のアは5、イは3、ウは2、(2)は 13が正解です。

 これは、シールのはり方の総数を an とすると、a1 = 1, a2 =2, n ≧3 のとき an = an−1 + an−2 という漸化式を満たす数列、 フィボナッチ数列です。n を順番に当てはめることは簡単ですが、一般項を求めるのは無理数が登場するのでかなり骨が折れます(興味のある方は「フィボナッチ数列  一般項」といったワードで検索してください)。

  その代わりに、一般項に無理数が登場しない類題である東京大学 1995 年理科の問題を紹介しておきます。解答は検索すればいろいろ出てくると思います。

 二辺の長さが 1 と 2 の長方形と一辺の長さが 2 の正方形の 2 種類のタイルがある。縦 2,横 n の長方形の部屋をこれらの タイルで過不足なく敷きつめることを考える。そのような並べ方の総数を An で表す。ただし n は正の整数である。たと えば A1 = 1,A2 =3,A3 =5 である。このとき以下の問いに答えよ。

(1)  n ≧ 3 のとき,An を An−1,An−2 を用いて表せ。

(2)  An を n で表せ。

小学生クラスから高校生クラスまで、確信が持てるように論理的に思考するということを大切にしています。