西洋の児童文学を読む(2018/11/22)

福西です。

『白い盾の少年騎士(上)』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)を読んでいます。第1章の1を読みました。

担当のT君の要約です。

ティウリは外へ出かけた。リストリディン城に思いをはせる。テフリ城に帰るとピアックがやってきた。旅に出るにはまだ早かった。リストリディンは今、野生の森の調査に出かけている。

冬が去り、ティウリはピアックとともに、テフリ城で休息の日々を過ごしています。馬丁長の老人が登場しますが、彼の口調が、旅に出たがるティウリたちとは対照的です。無茶と危険を諭し、無事と平和を愛するそれは、ティウリの放浪騎士になる思いを、読者にますます強く感じさせます。

この節は、ティウリが愛馬で森を見て回るところから始まります。前回のリストリディンが森に迷っている、暗いシーンとコントラストがあります。そのリストリディンとの約束をティウリが思い出し、旅の計画が動き出します。

「気付いたこと」では、生徒から、ピアックが大山脈を恋しがっているという指摘がありました。

また質問の時間では、S君から「ティウリの父は、放浪騎士になりたがっているティウリのことをどう思っているか(領地騎士を継がせたいと思っているか)」という問いが出ました。

T君の回答は、「父は息子に自分で決めた道を進んでほしいと思っている。だから、今は領地のことを教えはするけれども、最終的にはティウリの決めた通りでいいと思っているのではないか」という返答がありました。全員が深くうなずきました。

また、ティウリが放浪騎士になる思いが『王への手紙』のどこに書かれていたか、という質問がありました。時間内には見つからず、みんなの宿題になりました。