ことば1年(2018/11/13)

福西です。

最初に冬の俳句を二つ暗唱しました。

冬蜂の死にどころなく歩きけり  村上鬼城

咳の子のなぞなぞあそびきりもなや 中村汀女

紙芝居『ぶす』(長野ヒデ子 /文、 本多ちかこ/絵、鈴木出版)を読みました。

狂言のストーリーを紙芝居で見ました。主人の留守中に「触っていはいけない」箱を触ってしまい、中の水あめを食べてしまいます。そしてその言い訳に、大事なかけ軸と茶碗をも割ってしまいます。最初はわざとではなく、次はわざとです。その転換がなぜ起こったのかが、味わいどころです。またどこかで聞くことがあるかと思います。

もう一つ、昔話を読みました。『みるなのくら』(広松由希子/文、片山健/絵、岩崎書店)です。

「見てはいけない」座敷のふすまを次々と開けていき、最後にたどりつく放心状態が印象的でした。構成としては、タブーにそれほど抵抗が感じられず、むしろ破った後に読者の共感を寄せるように描かれていました。