0913 山の学校ゼミ(倫理)

浅野直樹です。

 

アリストテレスの『ニコマコス倫理学』に入りました。

 

『自然学』や『形而上学』では厳密な論理が展開されましたが、『ニコマコス倫理学』では身近な事柄が取り上げられます。こうした領域では蓋然性のレベルで満足すべきだという趣旨のことをアリストテレス自身が述べています。

 

太るからよくないと思いつつ寝る前にお菓子を食べてしまうといった「わかっちゃいるけどやめられない」ということについて、ソクラテスはわかっているならしないはずだしするということはわかっていないのだとしてそうしたことがあることを認めないのに対し、アリストテレスは知っているということと行動するということとを分けて考えてこうしたことがあることを認めます。

 

『ニコマコス倫理学』には正義論で必ず参照される配分的正義と矯正的正義の話などもあり、倫理について考える際の必読書だと言えるでしょう。