7/17 中学ことば

岸本です。

今日の補講で、春学期も最後です。

前回同様、『歴史小品』の「始皇帝の臨終」を読みました。

 

政争や焚書坑儒などで苛烈なイメージの強い始皇帝が、どのように描かれるのかに注目して、読んでもらいました。

今回は歴史的な知識がないと、わからない部分が比較的多かったのですが、解説を踏まえることで、生徒さんはしっかり理解できていました。

物語では、苛烈なイメージの背景として、子どもの頃の病気が原因で暴虐な性格となったとし、帝位についても周囲の人間から遠巻きに扱われる始皇帝が、むしろあわれに思える描き方から始まりました。

そして、病に伏せりながら、過去の行状を後悔している場面は、先述のイメージとは異なっていました。

始皇帝もあくまで「普通の人間」だったのです。

物語自体は、死後の後継者をめぐる問題が、ミステリー仕立てになっており、その点も楽しめる物語だったと思います。

残りの時間は、記事を読み合わせる取り組みを行いました。

フランスでナチスの「カギ十字」を用いたマドンナが訴追されるというニュースから、欧州と日本での戦争の扱い方の違いについて話が盛り上がりました。

 

秋学期は、漢字をメインに、記事の書き取りや短編の物語などを読んでいこうと考えています。

それでは、夏休みを有意義に過ごしてください。