『新約ギリシャ語初級』クラス便り(2018年2月)

「山びこ通信」2017年度冬学期号より下記の記事を転載致します。

『新約ギリシャ語初級』

担当 堀川 宏

 このクラスは2014年12月に「新約聖書のギリシャ語」を基本から学ぶ授業として始まりました。まず土岐建治『新約聖書ギリシア語初歩』(教文館)を教科書にして、文法の基本を約一年かけて押さえた後、新約聖書の本文「マタイによる福音書」を少しずつ読み進めてきました。はじめは基本文法を逐一確認しながらのたどたどしい講読でしたが、しばらくすると辞書の使い方などにも慣れて、今では受講生が準備してくれた翻訳に必要な修正を施したうえで、翻訳とギリシャ語原文との比較検討を行なえるまでになりました。途中休講の多い時期もありましたが、三年と少しの時間をかけて、受講生はギリシャ語本文の価値を実感できるところまで実力を伸ばしたことになります。

 さて、このクラスの受講生は現在一名ですが、その一名がこのたび仕事で京都を離れることになりました。そのため上記の歩みも三月でいったん区切りとして、四月からは新しい受講生の受け入れを待つことになります。文法でも講読でも新たにスタートを切る好機ですから、関心のある方はぜひお問い合わせください。開講曜日や時間帯についても相談に乗ることが可能です。新約聖書のギリシャ語のシステムは「古典ギリシャ語」よりも多少は簡略ですから、一度挫折した方の学び直しなどにも好適かもしれません。新しい出会いを楽しみにしています。