福西です。

『シュナの旅』(宮崎駿、徳間書店)を読んでいます。人間が土地を耕すことを忘れた時代に、穀物の種を探し求めるという、未来のような、過去のようなお話です。

読んだ箇所の要約をメモしておきます。

11/7

はじまりは、穀物を持たない谷の小さな国。そこで人々は厳しい自然を耐え忍んで生きています。主人公はその国の王子シュナ。ある時、シュナの前に、金色の種を求めて放浪する瀕死の老人がやってきます。その老人は死の間際に、シュナに小さな袋を渡します。それには脱穀され、土に蒔いても実らない「死んだ種」が入っています。老人は言います。西の果てに「黄金の穀物が豊穣の波となってゆれる土地」があるのだと。

旅人はシュナの心に 熱い想いを残して逝った

以来、西の方を見ることが多くなったシュナは、「生きた種」を求めて、とうとう西を目指して旅に出ます。

荒廃した文明の遺跡をいくつも見ては過ぎ、夜は危険なグールの奇襲に遭います。谷を出てからの日を数えるのをやめたころ、ようやくあたりの光景に緑が増えはじめます。けれども求める種はありません。

 

11/14

やがてシュナは人買いの都にたどりつきます。そこでも「種」は扱われていませんでした。けれども山のように麦があり、人買いがそれを人間と交換してどこかよそから持ってくるのだという情報を得ます。都の人たちは無愛想で口が固く、それ以上のことはわかりません。

疲れ切ったシュナは、その時、運命的な奴隷の姉妹を目にします。路銀はすでに尽きており、銃と交換で見受けしようとするシュナの行動を、姉のほうの奴隷が逆に諭します。「武器を手放せば あなたもたちまち狩られてしまう」と。シュナは自分には助ける方法がないことを悟り、二人の前から立ち去ります。

野宿するシュナの前に、不思議な老人が現れます。その老人から生きた種のありかを聞きます。そこは「月が生まれ出で 死ににもどる神人の土地」で、「人は人間を神人に売り 死んだ実をもらうようになった」のだと教えてもらいます。

シュナは旅を再開する前に、奴隷商人の車を襲撃します。しかし車から降りた奴隷は、あの姉妹だけでした。姉のほうはテアという名前でした。シュナは二人を連れて、追手から逃げます。「走りながら眠り 食べながら走った」その先は、けれども大地の果ての崖でした。立ち往生している暇はなく、シュナはテアたちを逃し、追っ手を引き受けます。

追っ手を始末したシュナは、不気味な飛行体の<月>を見ます。その月が飛んで行った先が神人の土地だと認めます。

 

11/21

シュナは直崖を一日がかりで降ります。その先は、しかし海でした。シュナは途方に暮れ、眠りにつきます。

すると翌朝、潮が変わり、浅瀬が現れます。そこはなんとも不思議な光景で、ずっと昔に滅んだはずの生き物たちが集まっていました。シュナはその浅瀬を通り抜けて、ようやく神人の土地に踏み入ります。

シュナは森の中で、緑の巨人が次々と「死ににいく」光景を目にします。その先に、シュナは生き物のような奇妙な建物を発見し、様子を伺います。夜、その真上に月が戻ってきて、人買いから集めた人間たちを注ぎ込みます。すると建物から水と緑の巨人たちが無数に出てきて、金色の種をあたりに蒔き始めました。朝には芽が吹き、昼には花が咲き、あっというまに穂が色づきはじめます。時間の流れが早いことを悟ったシュナは、急いで水路をこえ、穂をむしりとります。そして、警告音と、心身の痛みを受けながら、走って逃げ、海に飛び込んだのでした。

 

授業では、ここまで読みました。タブーを破ったシュナの心に襲いかかる狂気。「神人の土地」の描写が圧倒的に不気味です。夜中に人間を運ぶ「月」には戦慄を覚えました。

続きは冬学期の最初に読みます。シュナは海に飛び込んだあと、どうなったのでしょうか。「シュナの旅」の後半では、テアもまた、彼女の旅の主人公として登場します。

シュナの身の上に 何があったのか

テアには見当もつかなかった

ただわかることは(……)

今度は、テアの熱い想いが、読者(生徒)たちの心を打つことでしょう。

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