福西です。

以前、Eさんが複素数を取り上げてくれたので、それの興味を喚起する教材について書いておきます。(なかば講師用メモ)

1)2次方程式の複素数解の可視化

2次方程式は判別式D<0の場合は、実数の範囲では「解なし」となりますが、複素数の範囲では「異なる2つの複素数解」があります。

ただし「存在する」と言いながら、複素数解はxy座標のグラフでは見えません。そこでそれを「何とか見たい」という需要にこたえたのが、以下の文献です(pdf)。

複素数平面上における 2 次方程式の虚数解の存在位置について-3Dgrapesを活用して-

この文献にしたがって、以下のサイトにある「3D-GRAPES 1.73」というソフトでお絵かきします。

WelCome to GRAPES

1)grps3d173.zip(2.5MB)というのをダウンロードします。

2)grapes3D.exeを実行し、立ち上がった画面の右欄に、下記の式を入力します。

i)曲面に

R (u,v,au2-av2+bu+c)

曲線に

P (u,0,au2+bu+c)

Q (-b/2a,v,-av2-b2/4a+c)

変数uとvの範囲は、-10から10など適当に決めます。

ii)点に

A ((-b-√(b2-4ac))/2a,0,0)

B ((-b+√(b2-4ac))/2a,0,0)

S (-b/2a,-√(-b2+4ac)/2a,0)

T (-b/2a,-√(-b2+4ac)/2a,0)

iii)パラメーターに

a=1

b=-2

c=2

お疲れさまでした。

そして、このcを小さくすると実数解、大きくすると複素数解が現れます。

画面を90°ずつ回すと、「虚と実」の世界を行き来できます。このように視野を複素数にまで広げると、実数の世界で見ているもの(たとえば二次関数のグラフ)がほんの「切り口の一つ」にすぎないということが分かって面白いと思います。

2次方程式の解は、2次関数y=ax2+bx+cとx軸(y=0)との交点のこと。

左図)x軸(青線)に交わらない時は「解なし」

央図)定義域をx軸から複素平面(青線と緑線で張る面)に拡張

右図)ピンク色の鞍状の曲面がy=ax2+bx+cの複素平面上での正体。

その切り口の一つ(赤いカーブ)と複素平面との交点が、「複素数解」。

 

2)マンデルブロー集合

複素平面といえば、「マンデルブロー集合」というのがあります。

以下の複素数の漸化式を考えます。

z0=0

zn+1=zn2+c

この漸化式の先が発散しない(|z|<∞である)ような複素数cの集合を、複素平面にプロットして現れる図形は、自分の中に自分と相似な形を持っています。それを顕微鏡で覗いていった一例が、以下の動画です。(色々な方がたくさんアップされています)

(マンデルブロ集合②-フラクタルフローラ)

いつか紹介しようと思っていたのですが、授業では時間が足りなかったので、こちらに記しておきます。

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