数学が生まれる物語を読む(2017/4/25)

福西です。『数学が生まれる物語 第1週』を読んでいます。3回目の記録です。

『火曜日 自然数』に入りました。p14からp17まで音読しました。

アルキメデスの名前が出てきました。彼は『プサム・ミーテス(砂の計算)』という書物の中で、宇宙にある砂の数が一体いくらあるか、その上限値を見積もります。そのための道具立てとして、途方もない数の体系が出てくることと、実際砂の数に使われるのはそのほんの一部であることを見ました。

べき乗が出てきたので、(101010など例を何度か出しながら慣れていきました。べき乗では「肩」に乗る数が支配的です。

105×104は、100000×10000=105+4=109ですが、

105×4は、1020=1000…000(0が20個)です。

肩の下でのかけ算は、肩の上の足し算に、

肩の上でのかけ算は、すごいことに、

なります。

 

そして、1,2,3,…の「…」について、テキストに沿って再び考えました。たとえば、

p17

なぜ、アルファベットならば、a,b,c,…x,y,zと書いて、これで全部であるといっても誰もがあたりまえなことと思うのに、数は、1,2,…Nで全部だというと、それは納得しがたいと思うのでしょう。

と、文字に対する感覚と、数に対する感覚とが違うことについて、面白く覚えました。

p17

この終わりのない数という考えを表現するために、私たちは、実際使用されることがあるかどうかという問題と離れて、数をどこまでも続く系列として

1,2,3,…

と表すのです。

この「実際云々を離れて」というのが、まさに抽象です。

そして無限からは、「無限で割る」つまり「無限小」というアイデアが出てきます。それがのちに微分積分へと発展します。解析学です。解析学は、有無も言わせず今のテクノロジーを支えています。

 

残りの時間は、前回の帰りがけにEさんから質問のあった、「二項定理」についてフォローしました。

(A+B)を(A+B)3を展開する時に「分配法則」を使うことと、展開した項をまとめる時に「積の交換法則」を使うことを見ました。

またn乗の展開について、パスカルの三角形や2のべき乗(スイッチのオン・オフ)とのつながりを見ました。その結果を鵜呑みにするのではなくて、導出の過程での理解を深めました。

ここでは具体的な計算で、M君にたくさん活躍してもらいました。

 

次回はp18から読みます。いよいよペアノの公理が登場します。

レクチャーの範囲は、「交換法則」と「分配法則」です。