『つくる』(1~2年・3~4年)クラス便り(2017年2月)

「山びこ通信」2017年度冬学期号より下記の記事を転載致します。

『つくる』(1~2年・3~4年)

担当 福西 亮馬

 編み物(リリアン)では、マフラーを作っています。径が小さいほど手っ取り早くできるのですが、あえて「おばあちゃんにプレゼントしたいから」と、大人用のサイズを聞いてきて、その大きさで編んでいました。その心ばえに胸がぐっとなりました。毛糸を継ぎ足して、色を次々と変えることができます。「この色でいいかな?」「パステルカラーだし、合うんじゃない?」という女の子同士の会話が、とても素敵に聞こえていました。

 粘土(米粉)では、お弁当や食材を作りました。思わず食べたくなるようなリアルなできばえに、「わあ」「すごい!」の連続でした。単に色合いをにぎやかにするだけでなくて、混色をうまく使って、パンのこげ目や、ハンバーグとソースとの濃淡、そば麺の渋い風味などを再現していました。日常生活での観察の鋭さを感じました。粘土は春学期もしましたが、その時よりもさらにレベルアップしていると感じました。


がらくた工作では、接着剤で、プラスチックの破片や空き箱を次々くっつけていって、宇宙船を完成させました。それまで洗濯ばさみやプリンター用インクのキャップだったものが、最後の仕上げにラッカーを振ることによって、たちまちリアルな宇宙船のディーテールに変化することは、面白い体験でした。(ただしラッカーの臭いにむせながら!)
他にも、折り紙のユニット折り(多面体)や、ダンボールハウス、紙のハンドバッグなどを作りました。作りたいものにリクエストがあれば、生徒たちからどしどし寄せてほしいと思います。待っています!

 年明けに大雪が降りました。そこで、各自スコップを携えて、「ひみつの森」へと出かけていき、「かまくら」を作りました。そこにはぽっかりと木々に囲まれた、まるで聖域のような空き地があります。そこで誰にも踏み荒らされていないひっそりとした雪をかき集めました。はじめは小さかったのですが、小型の雪だるまを繰り返し運び込むうちに、どんどん肉厚な壁が築かれていきました。途中、軍手を手袋がわりにはめていたCh君がどうしようもなく手の凍えを訴えた時、R君が「じゃあ、おれが雪を運ぶわ」と言いました。友情を感じました。またT君は、私の声が雪運びの疲労で裏返っていくことを心配して、「先生、大丈夫!?」と何度も声をかけてくれました。それで二倍、また元気が出ました。

 「人が入れる」という目標が現実のものになるにつれ、ますます熱がこもり、いつの間にか寒さを忘れていました。日が沈んでいくと、雪が懐中電灯の明かりに透けていき、不思議な雰囲気になりました。そして、完成したかまくらの中に一人ずつ入り込み、達成感に満ちた体験を四人(残念ながらこの日はY君がお休みでした)で共有しました。ところで、私自身は子供時代に一度もかまくらを作ったことがありませんでした。物語の世界でしか体験したことのないそれが2時間足らずで実現できるのだと知って、少し胸が熱くなりました。

他日の取り組みでは、二部屋つないでビー玉転がしのコースを張り巡らせたり、忍者グッズをこしらえたりしました。これからも、いろいろな物作りを通して、ワクワクする時間を生徒たちと共有したいと思います。