『中学英語』(1〜2年・3年)クラス便り(2017年2月)

「山びこ通信」2017年度冬学期号より下記の記事を転載致します。

『中学英語』(1〜2年)、『中学英語』(3年)

担当 吉川 弘晃

 中学英語1・2年のクラスでは中学英語の基本について、読む・書む・聞く・話すという各面からじっくりと習得することが目的です。もっとも学校や家庭での英語学習は前者の2つないしは3つが中心となり、「話す」機会は限られてくるでしょう。そこで教室では何よりも生徒さん自身に英語で「話す」訓練を積んでもらう必要があります。
 この点に意識して冬学期からは授業のスタイルを変更しました。以前の授業では文法の基本を説明して、音読を行い、その後はひたすらドリル演習をやってもらうという形式でした。しかし、秋学期からの授業では、基本例文プリント(左側には和文、右側には英文)を使って、「話す」訓練を重視しています。まずは講師が文章を読んで生徒さんは発音に注意して何度も音読します。次に講師が和文の単語や時制を少し変えて生徒さんにその場で英文を答えてもらいます。そして授業後は例文を解題して自分で英作文をやってきてもらい、次の授業では作ってきてもらった英文を使って互いに和文英訳のクイズを行います。 
 他人が話すのを耳を立てて「聞き」、それを正しい理解で「読み」、他人に向かって大きな声で「話し」、自分の言葉として「書く」という一連の過程は大きなエネルギーを必要とします。しかし、それでも授業内でこれを重視するのは、「話す」という行為は決して1人で完結する学習ではなく、他者との関係の中で初めて実践されるということを少しでも理解してほしいからです。
 これに対して中学英語3年のクラスでは、まとまった量の文章を正しく読む力をつけるのを目標にしていますが、1・2年のクラスと共通するのは、音読と以上のような意味で「話す」ための知識の獲得を重視している点です。教科書は秋学期以来、ディケンズ『二都物語』の簡易版を用いております。英仏出身の登場人物がフランス革命の勃発で引き裂かれるという、いよいよこれからという山場で授業は終わってしまいましたが、音読は勿論、一つひとつの文法や語法、背景知識を丁寧に確認した経験は、生徒さんの読書体験をますます豊かにするでしょう。