今号の山びこ通信(2012/2月号)から、クラスの様子をご紹介します。(以下転載)

 

『ギリシャ語中級講読』(担当:広川直幸)

トゥーキューディデースを読んでいる.1巻の107節まで進んだ.1巻89節から118節までは,サラミースおよびプラタイアの戦いにおいてギリシャがペルシャを撃退してから,ペロポンネーソス戦争開戦前夜に至るまでのアテーナイの興隆の歴史が淡々とした筆致で綴られている.この時期にアテーナイの文化は絶頂に達したのであるが,それらには全く触れられず,記されているのは,ただ戦争の歴史のみである.演説の時はあれほど破綻と勢いに満ちていた文体も,事務的と言えるくらいにおとなしい.

授業では,できるだけ文法的に正確に読むことを第一にし,文法が破綻している場合には,なぜ破綻したのかを考察することにしている.あわせて,異読にも注意するようにしている.授業で用いている Alberti の校訂本は,Jones 校訂の OCT に比べると研究用註が充実しており,また,大胆な推定読みを採用していることがあるので,よい刺激になる. 来学期以降もトゥーキューディデースを読み続ける.

(文広川直幸)

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