「山びこ通信」2016年度春学期号より下記の記事を転載致します。

『ことば』(1~2年) 山の学校ゼミ『調査研究』 『英語講読C』 

担当 浅野直樹

 日本語や英語といったことばを通じて、あるいは調査研究によって、世界を広げるきっかけとなるようなクラスになればと思っております。
 ことばクラスの受講生たちは何もかもが新鮮なようでこちらとしても身が引き締まる思いです。毎回1冊を読むことに決めているえほんも、きっと刺激に満ち溢れていることでしょう。自分で文を書いてもらうにしても、1年生は習ったばかりのひらがなやカタカナを、2年生は知っている漢字を、それぞれ実践的に使う場になっています。私が何気なく話していることも新奇に聞こえるようです。あるときに「その場で考えてください」と言ったら「すなば?」と聞き返されたので、「『すなば』ではなく『その場』、前もって考えておくのではなくそのときになって考えるという意味です」と釈明したということもありました。
 英語講読クラスではデューイの世界観にも慣れるとともに、哲学の世界でされてきた議論にも親しむようになりました。最近読んでいる箇所の論点は観念論(idealism)と実在論(realism)です。観念論は錯覚などの例を出してあらゆる物事は人間の精神が作っていると主張するのに対し、実在論はあらゆる物事がそれ自体で存在していると主張します。あらゆる物事は人間の精神登場以前にも存在していたのではないかと実在論は観念論を批判し、そもそもそうした議論も人間の精神の産物ではないかと観念論は実在論を批判します。このような議論はそれ自体が興味深いですし、他の哲学的な文章を読む際にも役立ちます。
 調査研究クラスでは興味や必要に応じて世界を広げることになります。新しく調査研究を始めるとしたら自分の興味をできるだけ明確にするとともに、既存の資料や研究にどのようなものがあるのかを調べる必要があります。このあたりは手探りで進むので不安と期待が入り混じります。ある程度調査研究を進めてきて発表原稿を作る段階では、説得力を増すために、新たに統計データの図表を使おうと思うことなどがあります。そこでもきっと新しい発見があることでしょう。

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