岸本です。

今日は、ようやく読み終えた『人間失格』について、生徒さんとの議論も踏まえながら、感想文を書いてもらいました。

感想文といっても、たいていは何を書くのかわからないことが多いので、今回は読んで思った事、何故そう思ったのかをまず考えてもらいました。
生徒さんからは、「思ったよりも面白くなかった」という声が出てきました。
それに対しては、「なぜ面白くないと思うのか」とその感想を深めていきます。
それでも「わからない」と言う場合もあります。

そこで今度は「逆に面白いストーリーとは何か?」と尋ねると、「推理小説」と答えてくれました。
そのように質問を繰り返していく議論を経ていくと、人間の負の部分を表現するという点では、『人間失格』と「推理小説」は似ているものの、後者ではその負の部分に共感ができるのでわかりやすいが、『人間失格』で表現された負の部分には共感できないため面白くないということがわかってきました。
では、なぜ共感しづらいのかという疑問には、その負の部分に「欲望」がないからだと生徒さんは教えてくれました。
「推理小説」に表れる負の部分、その根本には、ある意味で分かりやすい欲望があるというのですが、『人間失格』にはそのような「欲望」が感じられないというのです。
この点では、私と生徒さんで意見が割れましたが、それは人生経験の差なのかもしれません。

ともあれ、議論を重ねることで、生徒さんが感じた「あまり面白くない」という単なる「クレーム」が、「共感できる欲望がない」という論理的には説得力のある「批判」となったと思います。
この議論では、「批判」といえば何でも許されるわけではないこと、「批判」するためには、論理的にわかりやすく伝えることが重要だということが学べたのではないのでしょうか。
「論理的にわかりやすく」というのは、「批判」だけでなく、言語を用いる全ての営みの中で重要な点だと思います。
この議論で学んだことを、ぜひこれから生かせるよう勉強していきましょう。

来週からは、新しい取り組みをやってみようと考えています。

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