『ラテン語初級(A・B)/ 初中級/中級/上級』 クラス便り(2016年2月)

「山びこ通信」2015年度冬学期号より下記の記事を転載致します。

『ラテン語初級』A・B 『ラテン語初中級』『ラテン語中級』『ラテン語上級』

担当 広川直幸

 ラテン語初級Aでは、Hans H. Ørberg, Lingua Latina I: Familia Romanaを教科書に、ラテン語の初歩を学んできた。かなり時間がかかったが、今学期でめでたく教科書は終了である。その後は簡単な読み物(おそらく抜粋集)を用いて本格的な原典講読に備える予定である。初歩を一通り学んだことがあれば参加可能なので気軽に問い合わせていただきたい。

 新規開講したラテン語初級Bでは、Hans H. Ørberg, Lingua Latina I: Familia Romanaと、その練習問題集Exercitia Latinaを用いてラテン語を学び始めた。Ørbergの教科書を用いる授業は今までに何度か開講したが、Exercitiaを授業中に全て解くのは初めてである。受講生の飲み込みがとてもよいので、今のところ結構なスピードで進んでいる。段々と難しくなるので、適度に速度を調節しながら進めようと思っている。

 ラテン語初中級では、カエサルの『ガリア戦記』を講読している。受講生はインターネット上のPHI Latin Texts所収の旧トイプナー版(O. Seel校訂)を用い、私はW. Hering校訂の現トイプナー版を用いている。細かい部分が意外と違うのが面白い。今学期は第2巻を最後まで読む予定である。受講生も私も段々気に入ってきたので、来学期も『ガリア戦記』を読むかもしれない。
ラテン語中級では、タキトゥスの『アグリコラ伝』を読んでいる。授業指定のテキストと註釈は、2014年に出版されたA. J. Woodman, C. S. Kraus, Tacitus: Agricola(ケンブリッジの黄色と緑のシリーズ)である。初めは悩まされた独特の文体にもだいぶ慣れてきた感じがする。相変わらず、一度に進む量はOCT版1ページ程度と少な目ではあるが、来学期の半ばには読み終わると思う。

 ラテン語上級では、カトゥッルスを読んでいる。テキストと註釈は学生向けのD. H. Garrison, The Student’s Catullusを用いて、ゆっくりと進めている。何事もなければ、この先もカトゥッルスを読む予定である。