「山びこ通信(2015年度春学期号)」より、下記の記事を転載致します。

『しぜん』(A・B1・C1)          担当 梁川 健哲

今年度から増設された、C(月曜)の二クラス。それぞれ私と小坂先生とで担当致しております。B(木曜)クラスも一つ増え、益々活気が出て参りました。全部で五つあるどのクラスも、集まった仲間たちによって、独自のストーリーを展開しています。まずは、私担当分のクラスの様子からご紹介をさせて頂きます。

yamabiko2015_spring-2【C(月曜)−1クラス】
C1クラスは一年生の仲間たち。クラスの最初には、日頃の発見を記録した「しぜん日記」等をもとに、活発な意見が交わされます。例えば「かたつむりは触ると目を引っ込めるけど、雨はどうして平気なのかな?」「てんとう虫は、どうしてあんな模様なんだろう?」などといった疑問についてです。
教室を出たら、気になったものを観察して書き留めたり、落ち葉や花びらを拾ったりしながら森を散策します。「あ、この道初めて曲がった!」サラサラ音を立てる落葉が一面に敷積もった竹林スベースに吸い込まれて行ったり、坂道の途中で突然遊びが始まったりします。
時には私の方からも遊びに誘います。「葉っぱで飛行機を作って飛ばしてみようよ!」うまく行くと滑るように飛ぶのですが、最初は墜落気味です。その様子を見ていたのか、ツバメがジャングルジムの上にいた私達のすぐ頭上を宙返りしてみせました。「『こうやるんだよ!』と言わんばかりだね。」みんなと笑います。そのうち「葉っぱキャッチ遊び」へと変わり、上から投げたり下で受けたり、代わる代わる遊びました。

【A(火曜)クラス】
ある日のA(火曜)クラス。連休明けで例によってどっさりと「しぜん日記」を書いてきてくれたAちゃん。その中の一つに、海を渡って旅をする蝶、アサギマダラについての本を読んだ感想がありました。
発表の時間を終えて園庭に上がると、私達が「ひみつの庭」と呼んでいるビオトープガーデンで、ちょうどお水やりをされていた育子先生が呼び止めます。「今、アサギマダラが来てるのよ。」
まるで嘘のような偶然に目を丸くしていると、大きなアサギマダラが一匹、ゆっくり漂うように庭の中を周遊しているではありませんか。息を呑んで目で追っていると、すぐ前の植え込みで、羽を休め始めました。吸い寄せられるように一歩、二歩、忍び寄るAちゃん。次の瞬間、アサギマダラは彼女の指の間で大人しくなっていました。驚くほど素早く、かつ、優しい手つきでした。そして、順番に手渡しし、アサギマダラのつるっとした羽の感触や、鮮やかな羽の色彩、胴の斑模様などを、みんなで確かめました。
その後、池の周辺でのカエル探し大会となりました。あちこちで鳴く声がたより。Aちゃんが3匹、T君は何と、素手で2匹捕まえました。

【B(木曜)−1クラス】
yamabiko2015_spring-3_1B(木曜)クラスは、ものづくりの好きな仲間たちが集まっていて、昨年度も工作をする時間が多かったです。動機が強いことは大いに喜ばしいことで、心ゆくまで応援したいと思っています。ただし、インドアな活動時間が多くなり過ぎたり、みんなが好きなことをバラバラにしているだけのような状況は避けたいです。個々の想いを汲みながら、かつ視野を広げ、好奇心の芽を膨らませられるよう導くことが、こちらとしての勤めであると考えています。初回からやはり「工作」のアイデアが口々に出てきましたので、出来るだけ材料探しに森へ出かけたり、工作そのものも青空の下で行うようにしています。
その効果も多少あったのか、SちゃんとTくんが木の枝をゴルフのパターのように使って、木切れや石の玉を打ち、的に当てるゲームを一緒になって考案しています。「みんなで外で遊べる仕掛け」としての工作に繋がればと期待しています。
その日の後半、みんなを沢へ誘いました。「行きたい!」という子も「え〜、もうちょっとここで工作してたい〜」という子も。残り時間も少なかったですが、それでもみんなで近道を通って沢へ向かいました。
沢が近づくと、ある地点で空気と匂いががらっと変わります。
「うわ〜水冷たい!」「これ汲んで帰ってお母さんにも触ってもらう!」「沢蟹いないかなあ、ねぇセンセ、この石持ち上げてみて〜」「いないなぁ、あっちは?」「うわ〜、いたいた!二匹!早く早く〜!(バケツ!)」「砂の中に、キラキラしたのがいっぱいある!金箔の原料かなあ!」・・・。

「そろそろ戻るよ!」「ちょっと待ってよう〜!」少し急ぎ足の、帰り道の石段。沢蟹の入ったバケツや水の入ったコップを運ぶ皆に、言いました。「じゃあ、今度はもう少し早めに行こうよ!キラキラも掬ってみようか・・・。」
みんなの好奇心を信じて、よかったと思いました。

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