「山びこ通信(2015年度春学期号)」より、下記の記事を転載致します。

『つくる』(1年・2〜4年)          担当 小坂 諒

yamabiko2015_spring-51年生のクラスでは、最初の授業で「道具の使い方を覚える」ことを目標として、特に何を作るか考えずにみんなで森に落ちている木や竹を取りに行き、ノコギリ、ドリル、彫刻刀を使って拾ってきた材料を加工しました。案の定、初回の授業では生徒が2人とも彫刻刀で指を切ってしまいましたが、これで刃物をどう扱えばいいかわかってくれたようです。小学生のものづくりに怪我はつきものです。しかし2回目の授業以降は、彫刻刀を使うことに恐れるどころか、逆に怪我をしたからこそ、それを使いこなしたいという気持ちが2人ともにあるようで、一心不乱に木を削っていました。
「今日は彫刻刀が私に優しくしてくれた」という生徒の発言が非常に心に残っています。子供の頃は道具の大切さや危険さを学ぶ機会が少なく、最近は子供を危ないものから無理に遠ざけているような時代になった気がします。危ないから使わせないのではなく、危ないからこそ正しい道具の使い方を教える必要があり、その先に道具や技術に対する深い理解があると考えています。危ないものは危ないと自ら感じて学ぶべきです。そして最も簡単に深くそれを教えてくれるのは刃物でしょう。
というわけで、1年生の「つくる」では彫刻に挑戦していこうと考えています。生徒2人、講師1人という少人数の授業だからこそできる授業をしていきます。

2〜4年生のクラスでは、工作が大好きで得意な生徒達が集まっており、「今日なにつくるの?」と聞いたらすぐに自らアイデアをどんどん形にしていくので、私は先生というよりちょっとしたアドバイスをするだけで十分なようです。
この授業では試行錯誤というプロセスを踏むことに重きを置いています。ですからあえて一筋縄ではつくれないものを選んでいます。構造はシンプルで完成させることは簡単なものだけど、うまく作るにはアイデアや何度も挑戦することが必要なものを作っています。例えば初回の授業で作ったチラシのみを使った吹き矢は、完成させる事自体は非常に簡単ですが、うまく飛ぶように作るのは大人の私でも時間がかかりました。まずはとりあえず作ってみて、どうしてうまくいかないかを考えて、それを改良するというのがものづくりの醍醐味だと思います。2回目の授業ではパチンコを作りましたが、これもとりあえず作っただけでは上手くいかず、また飛ばし方にもコツがあったり、飛ばす石の重さにも良し悪しがあったりと、生徒達のアイデアを借りつつ改良して最後には上手くいきました。
とはいえ、試行錯誤を取り入れたものづくりというのは2番目の目標であり、やはり1番の目標は生徒達の「◯◯をつくりたい!」という強い思いを実現させ、純粋にものづくりの楽しさを今まで以上に感じてもらうことです。

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