今日はいつもとやり方を変え、次の言葉だけを扱いました。

子曰、学而時習之、不亦説乎、有朋自遠方来、不亦楽乎、人不知而不慍、不亦君子乎。
子曰く(しのたまわく)、学びてしこうして時に之(これ)を習う、また説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)遠方より来たる有り、また楽しからずや。人知らずして慍(うら)みず、また君子ならずや。

「復習することは楽しいですか?家に帰って学校で学んだ事を復習するのは大事です。コツをいいます。6年生は5年生、5年生は4年生の勉強に必ずうっかりしていること、積み残しがあります。2年生は1年生で習ったことをやり直すと『なるほど、そういうことだったのか』とわかることがあるはずです。その発見は『よろこばしからずや』です。では尋ねます。1年生は何を復習すればいいのでしょう?」

こう聞くと、みな困った顔をしました。この日は1年生が複数、幼稚園の年長児も一人参加していました。一人の小学一年生が答えました。「幼稚園には教科書はない」と。お見事。その通りです。次に、別の2年生が答えました。「1年生でも、すでに習ったものがある。それをやり直せばいい」。これもその通りです。

「今日集まったみんなは幼稚園時代に何を学びましたか。俳句の時間に園長先生が言っていたことを思い出して下さい。『小学校に行ってもよい姿勢で学んで下さい』と言いました。そのことはどうしても忘れがちです。ほかにもたくさんのことを幼稚園時代には学びました。今できていることも、できていないこと、忘れてしまったことがあるかもしれません。そのようなことをもう一度思い出してみて下さい。そして、『なるほど、そういうことか』と理解できるなら、それもまた『よろこばしからずや』です。孔子は学校の勉強を学ぶことだけを『学ぶ』と言ったのではありません。むしろ、幼稚園時代にみなが大切にした優しさや思いやりや勇気の一つ一つを大人にもわかるように説明していると先生は思います。たとえば、みなさんは、手をつないで幼稚園に通いました。小さい年少児が泣いたとき、『だいじょうぶ?』とやさしくしてくれました。そんなみなさんを孔子は『君子なるかな』というでしょう。君子とは立派な人という意味です。大人だけが立派だという意味ではありません。今いるみなさんも、良い姿勢で学び、家族や友達を大切にして毎日を過ごせば、君子と呼ばれるのです。この『論語』という本にはそういう生きる上で大切なことを『思い出す』ヒントがいっぱい書かれています。そしてその大切なことは、幼稚園ですべてみなさんは学んだのです。これからも、がんばって声に出していきましょう」。

冒頭の言葉はこれまで何度説明したか、何度声に出したかわかりません。子どもたちの真剣な姿勢と表情が、今日は上のような話を導いたと感じています。

Share