『英語講読』C(John Dewey, Essays in Experimental Logic)、山の学校ゼミ  『倫理』・『調査研究』、『ことば』(4〜6年)(クラス便り2015年6月)

「山びこ通信(2015年度春学期号)」より、下記の記事を転載致します。

『英語講読』C(John Dewey, Essays in Experimental Logic)、山の学校ゼミ 『倫理』・『調査研究』、『ことば』(4〜6年)

担当 浅野 直樹

 
 勉強のための勉強(学問のための学問)よりも、身近な問題に根ざした勉強(学問)という印象を強く受けました。
 このような考え方はプラグマティズムと呼ばれます。英語講読C(John Dewey, Essays in Experimental Logic)はまさにプラグマティズムを扱った書なのでそのような印象を受けたのかもしれません。しかもプラグマティックな動機でこの本を選んだので、なおさらそう感じます。著者がもしこのことを知ったら喜んだことでしょう。
 倫理クラスでは江戸時代の日本思想を数回にわたって詳しく見たところ、現代にも驚くほどよく当てはまるという感銘を受けました。都市よりも田舎の生活のほうがお金がかからないし頑強になる、お金さえあれば何をしてもよいという世情になっている、平和な時代が長く続き家筋が固定すると生まれによって重用される人が増えてその人たちは何事もないようにと守りの姿勢になりがちである、といった荻生徂徠の記述などは現代のことを述べているのではないかと錯覚するほどです。
 調査研究クラスではアイデンティティという切り口から現代の特徴を捉えようとしています。「友だちによって顔を使い分けるかどうか」、「『〜とか』、『〜みたいな』という言葉をよく使うかどうか」といった極めて身近なテーマから論が組み立てられている先行研究を参照しました。
 ことば4〜6年クラスでは自己紹介を書いて発表してもらうというところから今学期をスタートさせ、連休明けには作文を書いて発表してもらいました。書くことそのものはもちろん、発表して質問し合うというところに生き生きとした躍動感が見られます。この人はこういうことを考えていたのかといったことや、今何がはやっているのかといったことがわかり、純粋に参考になります。