「山びこ通信(2014年度冬学期号)」より、下記の記事を転載致します。

『ラテン語初級』『ラテン語初中級』『ラテン語中級』『ラテン語上級』

担当 広川直幸

 ラテン語初級ではHans H. Ørberg, Lingua Latina I: Familia Romanaを用いて古典ラテン語の初歩を学んでいる。2月5日の時点で第25課に入った。文法事項の導入は相変わらずゆっくりとしたペースで、第24課でようやく過去完了が導入された。これはこの教科書の良い点で、要するに、少しの文法で多くの語彙を学ばせているのである。Ørbergの教科書の一巻目を念入りに仕上げれば、語彙不足に悩まされることなく原典講読に進むことができる。とはいえ、文法の全体像を把握しておくことも大切なので、近々この授業を補うための文法の講習会を開講するつもりである。

 今学期から開講したラテン語初中級では受講生一名と本格的な原典購読の前段階としてやさしいラテン語を読んでいる。手始めにBrian Beyer, War with Hannibal: Authentic Latin Prose for the Beginning Studentを用いて、Eutropiusの第3巻を読んだ。この本の註釈はくどすぎるが、エウトロピウス自体は文法を学んだだけの人が読むのに適していると思う。現在は、カエサルの『ガリア戦記』を初めから読んでいる。

 ラテン語中級では受講生二名とHans H. Ørberg, Lingua Latina II: Roma aeternaを粘り強く読み進めている。2月2日の時点で第54課の402行まで進んだ。この課の大部分はキケローの演説(De imperio Cn. Pompeii)なので、演説特有の凝った言い回しに受講生は四苦八苦しているが、その辺は慣れの問題であるし、この課が終われば残すところあと2課。ゴールは目前である。

 ラテン語上級ではPeter Dronke, Nine Medieval Latin Playsをテクストに受講生一名と中世ラテン語劇を読んできた。昨年末にヒルデガルトのOrdo Virtutumを読み終えて、現在は古典期に戻ってCatullusを読んでいる。軽快なhendecasyllabusが心地よい。授業用のテキストとしては一応D. H. Garrison, Student’s Catullusを指定した。適度な註釈と地図や図表、用語集と語彙集がついた親切な本であるが、本文批判について全く言及がない。Catullusのように写本伝承の悪い作家を読む場合、その点を無視することはできないので、プリントなどで適度に補うようにしている。

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