福西です。備忘録です。

6/11
この日は、以前の推理クイズの「6つのリンゴ」の問題を解いた後、新しい問題をしました。

ビルの6かいで、男がなにかをしながら、まどのむこうをながめていた。
そしておもむろに、まどをあけて、むこうに、とびおりた。
けれども男はぶじだった。
それはなぜか?

たくさん質問が飛び出した後、「飛び降りたのは、6階ですか?」という質問が決め手でした。みんなの情報を重ね合せて解くことができました。

残りの時間は、新しい暗唱の題材を一つしました。

かれを しりて おのれを しれば、
ひゃくせん して あやう からず。

かれを しらずして おのれを しれば、
いっしょういっぱいす。

かれを しらず おのれを しらざれば、
たたかう ごとに かならず あやうし。

『孫子の兵法』謀攻篇第三にあるフレーズです。「一勝一敗す」のところは、他の読みもありますが、1年生なので覚えやすさの方を優先しました。

勝つための条件が○○なら勝率100%、●○なら50%、●●なら0%というわけです。言わんとすることはシンプルなので、「そりゃあ、そうやな!」と生徒たちの納得も早かったです。

「あやうからず」が難しい言い回しですが、最後に出てくる「あやうし」には聞き覚えがある様子でした。その反対が「あやうからず」ということです。

6/18
早くも、先週した「百戦して殆うからず」を全員言えるようになりました。この頃の生徒たちは、まるで吸い取り紙のような頭をしているなあと感心します。

残りの時間は、これまで覚えた文章の中から、書き取りをしました。学校で習った字も増えてきて、自信を持って書く様子がたくさん見られました。

この日は素話をする予定でしたが、みんながあまりに一生懸命書き取りをしてくれたので、ほとんどそれだけで時間を使い切ってしまいました。

それなので、残り10分ほどでは、坊主めくりをしました。

6/25
暗唱の復習と、俳句作りをしました。

この日、俳句作りに火が着きました。一人に火が着けば、自然とみんなにも火が着き始め、いつしか句会となっていました。

暗唱の方は、先週よりもさらに完璧に言えるようになっていました。自信たっぷりな様子で、引き続きそれを応援したいと思います。

後半は以下の素話をしました。

『スフィンクス』

むかし、ギリシアにテーバイという都がありました。そこをライオスという王様がおさめていました。

この王様は、とても強い王様でしたが、気短かで、「自分の子どもに殺される」というお告げを受けていました。それで赤ん坊が生まれるとすぐにおきさきさまのイオカステに命じて殺させようとしました。

どうやって殺そうとしたかというと、赤ん坊の、両方のかかとを金ぐしで刺し貫いて、そのままの状態で山の中に置き去りにしておいたのでした。そうすれば、昔のことなので、一晩のうちにおおかみがやってきて食べてしまうだろうと思ったからです。

けれども実はその子どもは生きていました。おきさきさまがこっそり信頼できる羊飼いにたのんで、助けておいたのでした。そしてその子どもは羊飼いから隣のコリントスという都の王様に預けられ、その王様の子どもとして、オイディプスという名前で育てられました。オイディプスとは、「はれたかかと」という意味です。金ぐしをぬいたかかとがはれていたからでした。

その頃、テーバイへと通じる山道に、スフィンクスという名前の怪物が現れて、人々を苦しめていました。この怪物は、頭が人間の女で、体はライオン、そして大きな翼を持っていました。そして道行く人になぞをかけては、それを解けない者を食べてしまうのでした。

スフィンクスの出る道を通らなければ、人は三日も四日も余計に回り道をしなければなりません。そこで困ったテーバイの人たちは、何度もこのスフィンクスを退治しようとしました。けれども帰ってくる人は誰一人いませんでした。スフィンクスは、自分の知恵に勝てる者はいないのだと大層うぬぼれました。

テーバイの王様のライオスは、この事態をどうすればよいのか、お告げをもらいにデルポイという神殿へ行きました。けれどもその途中にある三叉路の狭い道で盗賊にあって殺されてしまったという噂でした。

王様のいなくなってしまったテーバイの人々は、ますます困りはて、ついには「スフィンクスを倒した者には、きさきのイオカステを与える」というおふれを出しました。

さて、そのスフィンクスの出るという道に、ある一人の若い旅人が通りがかりました。それは立派な若者に成長したあのオイディプスでした。気短かなオイディプスは人がとめるのも聞かずに、スフィンクスの出る道を通ってテーバイへ旅しようとしていたのでした。オイディプスは、「父を殺し、母と結婚する」というお告げを受けていたので、自分を育ててくれた大事なコリントスの王様とおきさき様から、自分から離れようとして旅していたのです。

もちろんオイディプスの前にスフィンクスは現れました。そして、こうなぞをかけました。

「一つの声を持ちながら、朝には四本足、昼には二本足、夜には三本足になるものは何だ。そのものは生き物中で最も姿を変える」

と。

しかし、オイディプスは堂々として、すぐにこう答えました。

「それは人間である」と。「なぜなら、赤ん坊のときは四本足で歩き、大人になると二本足で立つ。そして老人になると杖をついて三本足だからだ」と。

するとスフィンクスは怒って襲いかかるように見えましたが、オイディプスの姿を見るなり、「お前もいつか私のようになるだろう」と言い残して、飛び去っていってしまいました。言い伝えでは、このスフィンクスは、自分が一番賢いと思っていたことを恥じるあまり、崖から身を投げて死んでしまったそうです。

このようにオイディプスは知恵でスフィンクスを退治し、それによって王様がいなかったテーバイの人々から望まれて、イオカステと結婚し、新しい王様となりました。

そしてオイディプスが王様になってからのテーバイの都は、ふたたび平和を取り戻しました。オイディプスもまた、イオカステとの間に四人の子どもが産まれ、老人になるまで幸せに暮らしました。しかし、悲劇はその時に待ち構えていたのです。それは、みんなが大人になってからのお話です。

Share