ことば3年

福西です。春学期の2回目は、

 春の海 終日のたり のたり哉   蕪村
・京は九万 九千くんじゅの 花見哉 芭蕉

の俳句(・は既出)を覚えました。

「先生も、これ見て書いたんか?」と、辞書で「ひねもす」を引いたときに、春の海~の俳句を見つけて驚いているM君と、それが全員に伝播する様子が新鮮に感じられました。(先生「も」という言い方が、「なるほど、そうくるか」(笑)と思いました)。せっかくの発見なので、「春の海…」と意味に続いて書き写している様子も見られました。それは、結果的に辞書を丸写ししたことになるのですが、自発的に書き写した物にはもちろん、それ以上の価値があるだろうと思います。

また「与謝ってなんや?」というふうに、素朴な発見をかみしめかみしめ、たった一つの単語を引いた後でも、時間が必要なので、ゆっくり取り組んでいきたいです。(やがて「用件のみ」になっていくことを考えると、今の時間の経過は貴重だと思います)

まだ辞書の引き方自体は、「ひねもす」でも、「ひ」の次に「ね」を見つけるのが偶然にたよっているようなので、おいおい時間を見つけて引き方を練習していこうと思います。

最後は、柳田国男の「日本の昔話」から、「下の国の屋根」という話の前半だけを読みました。

『下(した)の国(くに)の屋根(やね)』

大(おお)うそつきの話(はなし)にも、色々(いろいろ)と珍(めずら)しいものがあります。

昔(むかし)ある村(むら)で井戸(いど)を掘(ほ)ったら、いくら掘(ほ)っても掘(ほ)っても水(みず)が出(で)て来(き)ません。

それでももっと掘(ほ)れと毎日々々(まいにちまいにち)掘(ほ)り下(さ)げて行(い)くと、おしまいに黒(くろ)く燻(くすぶ)った藁(わら)が出(で)て来(き)ました。

来週はこれの後半を読みます。