かず6年(0129)

福西です。だいぶ前の内容になりますが、この日は「コラッツの予想」を考えました。(この日はKa君がお休みで、Ys君お一人の参加でした)

「コラッツの予想」は整数論の未解決問題の一つで、次のような問題です。

ある自然数からスタートして、それが、
・2で割り切れる(偶数の)場合は、その数を半分にします。
・2で割り切れない(奇数の)場合は、その数を3倍して1を足します。
・結果の数についても、同じことを繰り返します。
すると最終的には1になる。
それが任意の自然数に対して成り立つ。

というものです。

たとえば、1からスタートした場合は、

1→4→2→1

となり、確かに成り立っています。

2の場合は、

2→1。

ここで気が付くことがあります。先の1→4→2→1の途中に、2がありました。また4もありました。これらは、結局1に行きつくことが、1→4→2→1を調べた時点で分かります。

つまり、ある数を調べた時、その数が1に行きつくならば、その途中に出てきた数もまた1に行きつくことが言えます。それによって、だいぶ手間が省けます。

また偶数については、どのみち2で割ることになるので、奇数にして考えることができます。そしてその奇数が、上のようにしてすでに調べた数であれば、それも省くことができます。

そのようにして、実際、Ys君が「しらみつぶし」に調べてくれました。

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1、2、3、4、5…と順番にしていくと、上の予想が成り立つことが分かり、その調子でどんな場合でも成り立ちそうに思えます。ですが、たとえば7を見てみると、意外性に気づきます。

7→22→11→34→17→52→26→13→40

ここまで、なかなか数が小さくならず、おや?という印象があります。

続きを見てみます。

→40→20→10→5

ここで、それまでに5については成り立っていることが調べていたので、ここで終了です。(5→16→8→4→2→1。16のような2n(n=0,1,2…)の数に行き着けば、あとは1まで一直線であることも分かります)

つまり、小さい数から順に調べていくと、スタートの数よりも「小さな数」になった時点で、その数については「終了」となります。(それまでの数について調べ上げていることが利用できます

また、7が1に行きつくことが示せたので、同時に、その途中に出てきた7よりも大きい数、すなわち

(5)、11、13、17と、その2n倍の数

についても、1に行きつくことが言えます。

さて、26までは順調に調べ上げたのですが、27が難所でした。以下の2枚がその手順になります。

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なんと、111ステップに及び、途中の数も7000を超えています!

このように、ある数はなかなか偶数にならず、なったかと思えば、すぐにまた奇数になります。つまり、「2で割った後、3倍して1を足す」作業を繰り返します。これを続ければ、約3/2=1.5倍ずつ増えていくことになります。

ただ、「もう無理?」かと思われた27でも、やはり最後には19まで落ち込み、(すなわち27よりも小さい数になったので)、その時点でコラッツの予想が成り立っていることが示せました。

27はこのように大変な数でしたが、収穫もありました。その途中に出てきた数についても、ごっそり成り立つことが言えたからです。

そのようなわけで、出てきた数を「自然数の表」から1つずつ消していきました。(スタートの数は、1~100まで調べました)。

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(自然数の表。コラッツの予想の成り立つ数を消していっているところ)

ここまでの作業を、好奇心の赴くままに一人でやってのけたYs君に、脱帽!