『山びこ通信』(2012年11月号)より転載いたします。ことば2~4年』 『中学ことば』 『中学・高校英語』 『歴史入門(高校)』  担当:岸本廣大

秋学期も、ひきつづき「ことば2~4年」、「中学ことば」、「中学・高校英語」、「歴史入門(高校)」の4クラスを担当させていただいています。この4クラスの取り組みからは、学ぶことの共通点に気付かされました。今回は、その共通点について、すこし考えてみたいと思います。

同じことを「くりかえし」ていく計算ドリルや漢字ドリル、誰しもが学校での勉強で経験したことでしょう。そして、大半の方はこうした勉強がつまらないと感じていたのではないでしょうか。かくいう私自身もその一人です。私は子供の頃のこうした経験から、山の学校の取り組みでは楽しく学ぶことを第一に、クラスの内容を考えてきました。

しかし、改めて毎週の取り組みを振り返ってみると、私の担当するクラスの中でも、「くりかえし」は存在していました。「中学・高校英語」では、中学生も高校生も単語の確認を毎週「くりかえし」ていますし、「中学ことば」では、漢検準2級程度の書き取り問題をほぼ毎週「くりかえし」ています。「ことば2~4年」でも、単調な漢字の書き取りとは違うことは自負していますが、「漢字迷路」という形式を「くりかえし」ているのは事実です。

このように顧みると、「くりかえし」とは学びの中で避けて通れないものではないかと、考えさせられます。一度聞いたり書いたりするだけで、漢字や単語を覚えられる天才はなかなかいません。覚えて理解するまで、ある程度の「くりかえし」が必要なのは、運動にも共通していえるでしょう。ただし、単調な「くりかえし」が子供たちを飽きさせ、学習の意欲を損なっては意味がありません。重要なのは、子供たちに楽しく「くりかえし」取り組んでもらうことです。例えば、上で少し触れた「漢字迷路」は、迷路を辿っていくと漢字が浮き出るようになっています。学校で一度は習った漢字でも、子供さんがこの「漢字迷路」に取り組む様子をみていると、その意欲は決して低くありません。どうしても避けられない「くりかえし」を活かすには、同じことをするにしても、少し違う角度から取り組むという姿勢が必要なのです。さらに、「くりかえし」は自らを省みる機会を与えてくれます。「くりかえし」の中では、成長を実感することもできれば、欠点を再確認することもできるのです。学ぶ側からも(小学生にはまだ難しいかもしれませんが)、この点を意識することで「くりかえし」をより有意義に活用できるのではないでしょうか。

「歴史入門(高校)」でもよく話題になりますが、歴史をたどっていくと、「くりかえし」とも思えるほど似たような状況が現れます。しかし、人々が「くりかえし」の中で少しずつ改善を積み重ね、様々な解決策を編み出してきたことも歴史は示してくれます。このように考えると、人は、漢字や単語といった知識だけでなく、人生で幾度となく突き当たる壁を乗り越える方法も、過去の「くりかえし」から学ぶことができるように思います。「くりかえし」の大きな可能性を念頭に置きながら、これからのクラスの取り組みも、生徒さんが楽しんで「くりかえし」てもらえるように決意を新たにする次第です。

(岸本廣大)

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