『ラテン語入門(初級文法)』 (担当:山下大吾)

前学期に引き続き、ラテン語入門コースでは、一学期三ヶ月間でラテン語の基本的な文法事項を習得するプログラムを組んでいます。具体的には、教材として岩波書店刊田中利光著『ラテン語初歩 改訂版』を用い、各課にあげられた文法事項を確認してから、羅文和訳問題を解いて頂く流れになっております。時間の関係で和文羅訳問題は授業内では行っておりませんが、担当講師が作成した試訳を後日お渡しして、授業後にその他の事項とまとめて質問をお受けしています。今学期はお二人が受講されております。

教科書は全体で51課の構成になっていますので、一学期全12回の授業数で割ると大体一回の授業数が4課から5課という計算になります。ラテン語のように格変化や活用形の多い言葉では一回の課目で覚えるべき項目も必然的に多くなりますので、受講生の方々も当初は大変だったように見受けられます。それでも毎回予習の範囲をしっかり学習されており、和訳問題の回答を伺う限り大きなミスは感じられません。それぞれの変化表を声に出して読み、細かな違いを確認していく作業などは、時間の不足から授業では大幅に省略せざるを得ないのが実情ですが、普段の生活の中でしっかり復唱され、確認されている結果だと思われます。現時点で当初のプログラム通り進んでいることから、このペースで進めば、最後の授業では普段の和訳問題だけでなく少し長めのテクストも読める余裕が生まれるのではと密かに期待しているところです。

教科書にはキケローやオウィディウスなど古典期のラテン作家のみならず、教父、近代の哲学者によるオリジナルのラテン語テクスト、さらにはラテン語に翻訳された聖書の章句やプラトンの言葉が収められており、古典古代から近現代にまで及ぶラテン語世界の幅広さを実感できる構成になっています。受講生の方々がその広大なラテン語世界へ踏み込まれていく際の僅かな一助になれればと思いつつ、毎週確実に歩みを進めております。

(山下大吾)

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