ことば1年(火曜日)

福西です。
4回目の記録です。

この日は「しりとりマラソン」をしました。単語1つで1km走ったこととし、「あおば」の「ば」からスタートしました。

一人ずつ順番に当てていこうとすると、どうしても待っている人が飽きてしまうので、みんなで同時に考えてもらうようにしました。「ば」なら、「バイク」「バス」「バケツ」「ばら」…など、生徒の口から思い思いに言ってもらい、それを私がホワイトボードに書き出します。そしてある程度出尽くしたところでその中から多数決で一つだけ選び、残ったホワイトボードの字を手元に写してもらってから、次に進みます。

その日は9つこほど進み、「ゲゲゲのきたろう」の「う」で終わりました。

素話は「聞き耳頭巾」をしました。福を授かる典型的なお話で、以前帰りに誰かが「聞き耳頭巾知ってるよ!」と言っていたので、してみようと思い立ちました。ぜんぜん怖くない話なのですが、知らない生徒は、「それって怖い話?」と念を押していました。どうやら先週の反応から、このクラスでは怖い話は敬遠されるようです(笑)

あるじいさまが、観音様に、「いつもお供え物をしたいけれども、貧乏のためにどうしてもそれができないでいる、ついては自分を食べてほしい」と言ってお願いします。すると、どこからともなく声が聞こえてきて、「そんなことはない」と言って、ぼろぼろの赤い宝頭巾を授かります。それをかぶって歩いていると、二羽のカラスの話している内容が聞こえます。

「浜の長者の一人娘が、明日をも知れぬ病にかかっている。その原因は、土蔵の屋根を葺いたときに、たまたま屋根で昼寝をしていた蛇が、うっかり板と一緒に釘で打ち付けられてしまった。逃げ場のない苦しみと、またその蛇に食べ物を持ってくるつがいの蛇の恨みとが一緒になって、娘に障っているのだが、人間というのは情けないもので、屋根の上で私が鳴いて教えても、それがわからないのだ」と、カラス。

それを聞いたおじいさんはさっそく易者のかっこうをして、長者の屋敷へ行き、事を解決してお礼に大金をもらう、という筋立てです。

話していると時折、「どこからともなく」とか「人間というものは情けないもので」といった決まり文句に対して、反芻したり、意味を尋ねてくる生徒もいました。

柳田国男の「日本の昔話」には、このあともまだ続き(バリエーション?)があって、T.R君はこちらの方をよく知っていました。

ある長者が家を大きくしようとして、邪魔になったクスノキを切り倒したところ、それが切り株になっても死ぬ死に切れずに難儀している。その思いが障って家の娘が病にかかっている。そのことを、クスノキのところへ他の木たちが毎夜見舞いにやってくるので、その話し声をおじいさんが頭巾を使って聞き、娘は助かったという話です。

このクラスでは、昔話が割合すんなりと受け入れられているように思うので、しばらくそれで進もうと思います。ただ、生徒の様子から、やまんばの出てくるような怖い話は避け(本当はしたいのですが)、『わらしべ長者』など「福を授かる話」、『はなたれ小僧』など「元も子もなくなる話」、あと『炭焼長者』など「筋の逆転がある話」を交互にして、お話への楽しみを膨らませていこうと考えています。