「ラテン語入門・中級講読」──山びこ通信より(2011.2)

『ラテン語入門』『ラテン語中級講読』 (担当:広川直幸)

入門の授業では,引き続き,Hans H. Ørberg, Lingua Latina I: Familia Romanaを用いてラテン語の基礎を学んでいる.現在,第28課を学習中である.教科書は全35課で構成されているので,順調に進めば,次の学期で終えることができるであろう.第27課から緩やかに接続法の学習が始まった.接続法の活用は非常に易しいものではあるが,それは直説法がきちんと身に付いているならばの話である.接続法,とりわけその現在時制を学びながら混乱を感じるようであれば,直説法の定着度が低い可能性が高いので,直説法の活用を十分に復習してから接続法を学び直すことを勧める.

週に一度の,しかも80分という限られた時間では,授業中に十分な練習をすることは不可能である.各人の自習に期待せざるを得ない.本文を読み,それを応用して作文をするという練習を毎日少しの時間で構わないので実行していただきたい.

中級講読では,ウェルギリウスの『農耕詩』をのんびりと読み続けている.ようやく最終巻である第4巻に入った.このところ,一回に読む量がだいぶ減っている.言うなれば蕎麦をくちゃくちゃ食べているようなもので,これでは醍醐味は味わえない.蕎麦はある程度の量をズルッと一息で食べてこその蕎麦である.文章を読む場合にも同じことが言える.一度に読む量があまりに少ないと,内容の理解に支障をきたす.それゆえ,今後は一度に読む量を増やして,来学期で第4巻を読み終えるように調整しようと思う.『農耕詩』を読み終えたらすぐに『アイネーイス』に進む.ウェルギリウス読破がこの授業の目標である.

(広川直幸)