「ラテン語入門・中級講読」──山びこ通信より(2011.6)

『ラテン語入門』『ラテン語中級講読』 (担当:広川直幸)

入門の授業では,Hans H. Ørbergの Lingua Latina I: Familia Romanaを教科書にして,ラテン語の基礎を学んでいる.現在,34課まで進んでおり,今学期で全35課を学び終える.独特の教科書を選んだこともあり,開始当初は,一通り学び終えるのにどれだけの時間が必要なのか皆目見当が付かなかった.それでも,大学の授業のように年度に縛られているわけではないので,余り急がずに進めようと開き直って授業を行ったところ,ちょうど2年で終えることができた.今になって思うに,本当の意味での基礎を築くには,少なくとも,これぐらいの時間は必要なのかもしれない.この授業が節目を迎えることができたのは,何よりも受講生に恵まれたおかげである.確かに,Lingua Latinaはその面白さ他の追随を許さぬ教科書ではあるが,そうではあっても,2年間,地道に学び続けるということは誰にでもできることではない.ここに感謝の意を表したい.

秋学期からは,シリーズの後半であるLingua Latina II: Roma aeternaを教科書にして授業を行う.

中級講読では,ウェルギリウスの『農耕詩』を読んでいる.ようやく4巻後半部「アリスタイオスの物語」に辿り着くことができた.読了は来学期の途中になるであろう.『農耕詩』を読み終えたら,すぐに『アイネーイス』を読み始める予定である.

(広川直幸)