ギリシャ語入門(2009.2)

以下は山びこ通信(2009.2)に掲載された講師からのメッセージです。

昨年四月に始まったこのギリシア語入門の授業ももうすぐ終わりです。水谷智洋『古典ギリシア語初歩』という、お世辞にもやさしいとは言えない教科書を、毎週一課ずつ学んできた入門の道程にも、ようやく終点が見えてきました。受講生のお二方はどのような感想を持っているのでしょうか。やたらに変化練習でしごかれた。講師が教科書をバンバン直すので面食らった等々、色々な感想を抱いているでしょうが、やはり、教科書を一冊やり遂げたという充実感が一番大きいのではないでしょうか。

この道程を何度も歩いたことのある私には、反省点や改善点ばかりが思い浮かびます。いくつか列挙してみましょう。もっと徹底して発音指導をするべきだった。簡単な例文をたくさん読ませるべきだった。宿題にして提出させるなどして、もっと変化練習をさせるべきだった。簡単な文を作る練習をするべきだった。他にも色々ありますが、それらはできるだけ今後の授業に反映させるつもりです。

入門段階を過ぎてしまえば、古典ギリシア語はラテン語ほど難しくはありません。ラテン語は、その仕組み上、文法の知識では解決できない曖昧な点が残りがちな言語です。しかし、古典ギリシア語にはそのようなことはほとんどありません。教科書にはあまり書かれることのない方言差についての基本的知識を身につけてしまえば、辞書や文法書、翻訳や註釈を参照しながら、読みたい原典を読んでいくことができます。ホメーロスもプラトーンも新約聖書も直に読むことができます。そうすれば、翻訳を読むのとは全く違う世界が開けます。ただし、訳読ばかりしていては翻訳を読むのとあまり違いがありません。訳読はなるべくやめましょう。その代わり、たくさん音読をしましょう。これが私に今できるささやかな忠告です。

四月からはまた新しく授業が始まります。古典ギリシア語に興味のある方、始めるなら今がチャンスです。また、『イーリアス』講読の授業も始まります。すでにギリシア語に入門している方も是非どうぞ。

(文責 広川直幸)