今号の山びこ通信(2012/6月号)から、クラスの様子をご紹介します。(以下転載)

 

『ギリシャ語初級・初級講読・中級講読』(担当:広川直幸)

入門Aでは引き続きPeckett & Munday, Thrasymachusを教科書に古典ギリシャ語の基礎を学んでいます.この春で二年目に入りました.教科書も三分の二が終わり,残る重要文法事項(形態論)は完了時制と不規則動詞だけです.頑張りましょう.

入門Cは一学期お休みしたので,昨年度の秋学期の続きです.水谷智洋『古典ギリシア語初歩』を用いて学んでいます.今学期は第13課から第24課まで進みます.

初級講読Aでは「マタイによる福音書」を読み終え,『オデュッセイア』を読み始めました.この授業で韻文を読むのは初めてなので,今は韻律に悪戦苦闘といった感じですが,叙事詩の韻律分析に必要な考え方はもう出尽くしました.後はひたすら分析して朗読する練習をして体にリズムを刻み込むだけです.それができれば,朗読することに喜びを感じるようになるでしょう.

初級講読Bでは,今学期からLouise Pratt, Eros at the Banquetを用いてプラトーンの『饗宴』を読んでいます.『饗宴』は抜群に面白い本なのですが,いかんせん過剰に用いられる間接話法のせいで初学者には難解であるという憾みがあります.今回採用した教科書はその点を考慮して前半三分の一を易しく書き改めています.それ故,厳密には原典購読とは言えないのですが,初級文法を終えた段階では,このようなステップを踏むのもよいかもしれません.

中級講読では,トゥーキューディデースを読んでいます.この原稿を書いている時点で第一巻の終わりが目の前です.第一巻の最後に近い部分で,スパルタのパウサニアース,アテーナイのテミストクレースという,ペルシャ王と手を組んでギリシャ世界を征服する野望を抱いた二人の将軍の末路が,史家特有のいつもの濃密でごつごつとした文体ではなく,余裕のあるのびのびとした筆致で隣り合わせに記されているのが印象的です.二巻でようやくペロポンネーソス戦争の叙述が始まりますので,これからが本番といったところです.

(広川直幸)

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