ことば4・5年

福西です。

今日は、先週リクエストのあった『二十の扉』を前半にしました。先週お休みだったEちゃんも元気に来てくれて晴れて4人そろってできました。Eちゃんもなぜか先にそれをすることを知っていて、楽しみにしてくれていた様子でした。

でも普通にするとおそらくペースがコントロールできない恐れがあったので、加えて、いつも男女にチームを分けているのが心配に思えたので、ルールを先に設定しました。

ルール 
まず、くじびきで二人ずつのチームを作ります。(先生は書記をするので加われません)
テーマは、つぎの四つ(もの/ことに分けると八つ)です。そして今回はテーマを選べるのは、出題チームではなく、問題をとくチームの方です。出題チームはテーマを指定されたら、二分間で問題を作ってください。

・小学校にあるもの/こと ・山の学校にあるもの/こと
・幼稚園にあるもの/こと ・家にあるもの/こと

最初は「え~」と言われましたが、そこはこちらもリクエストに答えたのだから…と無理に納得してもらいました(笑)。

あみだくじの結果、Aちゃん&H君チームと、Eちゃん&Mちゃんチームになりました。最初の出題者はA&Hチームです。E&Mチームから「家にあるもの」というテーマが指定され、「30秒~」「1分~」とせかされながら、何とか2分以内に問題が決まりました。「きっと簡単やわ、これ」と自信なげなA&Hチーム。そういうのがでも意外と答が出にくかったりするものですが…。

<先攻> 家にあるもの(出題者:A&Hチーム、回答者:E&Mチーム)

1 それは、みんなの家にありますか? はい
2 テレビですか? いいえ
3 かたいですか? いいえ
4 大きいですか? いいえ
5 電池で動きますか? いいえ
6 四角いですか? いいえ
7 エアコンより重いですか? 多分、はい
8 物を入れられますか? はい
9 たくさん入りますか? 入れようと思えば、はい
10 食べ物を入れますか? えー! いいえ!
11 服を入れますか?(たんす?) いいえ
12 電化製品(電気を使っている)? はい。電気屋さんで売ってます
13 CDデッキ? いいえ
14 乾燥機ですか? いいえ
15 おふろですか? いいえ
16 照明? いいえ
17 電動自転車? いいえ
18 掃除機? いいえ

とうとう、ここまで来てしまいました。あつ2つしかありません。「あ、これ、次にずばりのヒントにならなかったら、やばいんちゃう?」と、E&Mちゃん。

19 勉強机? いいえ!

あ~残念。でもここで、仏のH君がまさかの大ヒントを出してくれました。「むかしはなかった家が多かった」と。それでピーンと来ました。

20「わかったぁ~! トイレ!」「はい、正解!」

すべり込みセーフでした。いや、それだけで分かった方を、お見事とほめるべきでしょう(笑)。というわけで、攻守交替です。

<後攻> 山の学校にあるもの(出題者:E&Mチーム、回答者:A&Hチーム)

1 それは、勉強道具ですか? いいえ
2 この部屋にありますか? いいえ
3 数字が書いてある? いいえ
4 文字が書いてある? はい、でもいっぱいではないです
5 カウンターの机の上にありますか? はい
6 「わかった、あいだみつおの習字ですか?」 そう、正解。

えー!? 何と。カウンターの机の上で、あの『人間だもの』の掛け軸だと分かるなんて。机の上といえば、文房具の何かと思うのが普通ですが…^^ いやあ、何と言う勘の鋭さでしょうか。というわけで、40分ほどすぎたところで、一段落。

後半は、今日からまた新しい物語を読みはじめました。冬学期もあと残すところ6回です。もしかすると彼らとも今学期で最後になるかもしれず、そうなったとしても、ぜひこれはという本を持ってきました。

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(この前の『ポアンアン』と、その前の『サンジ』とも同じ作者です。一人の作家の作品を複数読むことが、実は今年一年のひそかな狙いであり、挑戦でした^^)

主人公が6年生なので、今の学年とずれているのが感情移入できない点で少し心残りなのですが、一般に4・5年向きと書かれている本よりも平易で読みやすい文章で書かれているので、その点は安心です。またテンポが良くて、かつ深いストーリーなので、今のメンバーなら十分読める(読み応えを感じてくれる)本だと判断しました。最後に取っておいた本でした。(相当どうしようか迷いましたが…押し付けになりはしないか、かなり冒険だと感じます。でも、子どもの中にいる大人のための本で、これほど丁寧に書かれた物語と、私はいまだ出会ったことがありません。それぐらいの本との出会いを感じた人は、きっと私だけではないだろという思いに、最後は後押しされました)

Mちゃんが「これもストップ読みするの?」と聞いてくれたので、以前のブログで書いた「ストップ読みとまる(。)読みの混合読み」を説明しました。やっぱり「え~」と言われてしまいましたが、「いつも一人一回ずつしか読めないのが申し訳ないので、試しに」と押し切りました。

結果をいうと、その甲斐がありました。読む番がやっぱり早く回ってくるのはだれなくていいです。またチームにしているので、ペアの間では交代しているけれど、それがあたかもずっと自分が読んでいるかのように、意識が持続するのが、いい感じでした。(チームとか班にすると、クラスではいいことが多いということを最近悟りました^^)

今日は1章を読みました。たった10ページの間にも、かなり急展開がありました。

主人公の悟は、2分以内にとげぬきを保健室に届けに行かなければならない用事の途中で、黒猫ダレカと出会います。そしてダレカの手にささった「見えないとげ」を抜いてあげたお礼に、一つだけ願いをかなえてもらいます。ですが、「ちょっと待ってくれ、時間をおくれ」と言うなり、ダレカは消え、別の世界に連れて行かれます。そこは「悟だけの時間」の世界で、「老人になるかならないかという頃、ちょうど元の世界では2分間が過ぎている」のだそうです。そしてそれまでに、姿を変えたダレカを探してつかまえる、というゲームにつき合わされます。

ダレカは、(今日やった二十の扉ではないですが)

1 何にでも姿を変えられる
2 ただし、今悟が見ているものにはなっていない
3 この世界で一番確かなものに姿を変えている

と言い残します。さて、悟はこのあと、どうなっていくのでしょうか…? ぜひ次回をお楽しみに。