4/23 ことば4〜6年生

高木です。

今日は、創作の続きを始める前にクラス全体でできる取り組みをしたいという
先週のRちゃんのリクエストを採用して、簡単な言葉遊びをすることにしました。
言葉遊びというと、しりとりなどいろいろとありますが、
せっかく物語を書いているのですから、
その発想に役立つようなことをしてみました。

たとえばシンデレラはガラスの靴を履いていますが、
「ガラス」と「靴」は、普段は直接結ばれることのない言葉です。
ショウウィンドウに飾られた「靴」を「ガラス」越しに見た、と言えば、
これはどこにでもある、ごくありふれた光景ですが、
それが「ガラス」の「靴」となった瞬間、一気にファンタジックな想像力が広がります。
(「かぼちゃ」と「馬車」も同様です。)
このように、普段は隣り合わないような言葉どうしをぶつけると、
思いがけない化学反応を起こして、物語の世界を広げるきっかけになることがあります。

そこで今回は、生徒さんにそれぞれ紙片を一枚ずつお配りして、
そこになんでもいいから一つだけ名前(名詞)を書いてもらい、
紙片を四つ折りにして、全員分を集めて混ぜ、
そこからくじ引きのようにして二つの言葉を取り出すということをしました。

最初に出てきた言葉は「宇宙」。

次に出てきた言葉は「エルモ」(セサミストリートのキャラクター)でした。

「宇宙」の次に「エルモ」が出てきたときは、みんなも私も大笑いでした。
この「笑い」が、それが思いがけない組み合わせであることの、何よりの証拠だと思います。
すぐさま「エルモ」が「宇宙」旅行に出かける様子をAちゃんが物語りはじめて、
そこにみんなから次々とエピソードが重ねられました。
あっという間に物語が膨らむのを見ることができました。
みんな楽しんでくれたようで、この想像的/創造的な遊びは、何度も続けられました。

創作にとりかかる前のほんの15分ほどのことですが、
こうした言葉遊びをすることで、言葉の自由度や可能性を広げていきたいと思います。

さて、今回は初回だったので、あまり深入りしなかったのですが、
この言葉遊びのポイントは、「つなぎかた」にあると思っています。
たとえば「宇宙」と「エルモ」の場合、今回のみんなのやりとりのなかでは、

「エルモ」“の旅行した”「宇宙」

という、つなぎかたそのものは、変わらなかったわけです。しかしこれを、

「エルモ」“の”「宇宙」(=「エルモ」”の所有する”「宇宙」、または「エルモ宇宙」)

「エルモ」”の中の”「宇宙」

「エルモ」”の横の”「宇宙」

「エルモ」”的”「宇宙」、「宇宙」”的”「エルモ」……

というふうに、つなぎかたを工夫すれば、それだけで、
これって、どんな「エルモ」だろう? どんな「宇宙」だろう?
と考えたくなるような、想像力を働かせたくなるような、魅力的なイメージがさらに浮かんできます。

次回は、こうしたことも紹介しつつ、授業の冒頭15分間を言葉に遊んで、
創作に活かしていってもらいたいと思います。