『化学と生物学のハーモニー』

今回の講師は、細水康平先生。

有機太陽電池の研究をしている人です。太陽電池というと、パネルを連想してしまいますが、今回はちょっと、それとはちがいます。

まずは、レモン電池の実演から始まりました。「タネもしかけも…いや、種はあるか、レモンに(笑)」

最初はジョークから入り、最後はアインシュタインの名言で終わるという、夢にも思いつかない3時間でした。

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(「これ、何か知ってる?」銅板、亜鉛板、そしてLEDをレモンにつなぐと…)

話題は、太陽電池から、講師の小中高時代のことまでのぼりました。

「細水電池のエネルギーは何か?」という、今につながるエピソードも、興味深く聞くことができました。

田んぼの水を、買ってもらった顕微鏡でのぞいて──ある日、動物プランクトンが植物プランクトンを食べている現場を見てしまった!

──この話一つからしても、なるほど化学の道だけでなくて、生物学もできるような道を、大学時代に模索していたことに共感できます。

振り返ると、講師の細水先生は、化学や生物学だけでなく、実に多分野に興味を持っていたことに気付きます。

そしてその興味を大学に行くまでの間、ずっとキープしておいて、大学に行ってからはますます、はずみをつけて行ったのです。

「大学の講義はバイキングのフルコース」

という彼のメッセージに、私も大学にいる間、その「フルコース」を、うれしそうに、思う存分取って食べていたことを思い出しました。

ふつうなら、「これは苦手だから、あれを」とか「こっちをしなければならないから、あっちをやめる」といった方法を選んでしまいます。ただそれは自分から、目の前の道を、新しいことに出会う機会を、狭めてしまう結果になりかねません。

私が共感するのは、「どうやったら、あれとこれを上手にキープできるか」という、まさにその点に、彼が頭を使って切り抜けてきたことです。

キープしたから、その後もキープし続けることができて、今している研究というボールがある。その現在進行形の人として、彼が今、生徒たちの前に登場たことは、大変意義があったと思います。

『化学も、生物学も、物理学もできるフィールで研究したい』──その機会を自分から求めていって、だから、植物の光合成を手がかりとした例の「有機太陽電池」という、ストーリー。

それは彼が大学に入るまで、一つのことだけを、たとえば、化学だけが好きで、化学だけを勉強していたのでは、決して発見できなかったストーリーではないかと思うのです。

化学、生物学、物理学、数学、英語、情報科学──彼の中にある興味は、青春ライブに来てもらった生徒たちを圧倒したことでしょう。

彼が研究していることに、すべて生きている、「こういうときに、こういうことが必要だ」ということを聞いたのです。

そして学校で、「あれ、苦手~!」と言いながら、勉強している今、しかし、真面目に取り組んでいることは、目の前にいた細水先生、また前回や次回の講師たちと、十年後、未来の自分たちが対等に話ができるようになることを意味します。

 

彼は最後、こういう言葉を残していきました。

「期限付きの問題は、後回しにしても結局、いつかはやらなければならない。後になればなるほど難しくなる。そして最後までできなければ、今度はその代償を払わなくてはならない」

このことはエネルギー問題だけでなく、勉強の話でもそうなんだよ、という話でした。

このコメントを受けて、最後に山下先生が、会場全体に質問しました。

「The best way to predict the future is to (  ) it. かっこに入るものは?」

──do ? ──make?

──imagine?

「そう、そんな感じです。ただここでは、最初にinが付きます」

──in…(一同考える)

──(しばらくして誰かが)…invent?

「そうです。invent(発明する)です」

「エネルギー」という問題は、現在人類が、期限付きで解決しなければならない、ということは、おそらく誰もが知っていることでしょう。

しかし、「誰かがそのうち、解決してくれるだろう」では、結局「どうなるんだろう?」と未来を憶測する立場でしかありません。

そこで、自分がその「誰か」となって、未来を発明してしまうのであれば、それが一番未来を予測する近道なわけです。

細水先生も、そういうことをしている人の一人なのです。大げさかもしれませんが、私たちは、そう感じています。

彼がおもむろに、「レジュメの一番最後を見てください」と言って、場の全員がページをめくる音がしました。すると、そこに書かれたアインシュタインの言葉の朗読が始まりました。

Do not stop to think about the reason for what you are doing, about why you are questioning. The important thing is not to stop questioning. Curiosity has its own reason for existence. One cannot help but be in awe when he contemplates the mysteries of eternity, of life, of the marvelous structure of reality. It is enough if one tries merely to comprehend a little of this mystery, each day.

Never lose a holy curiosity. Try not to become a man of success but rather try to
become a man of value. He is considered successful in our day who gets more out of
life than he puts in. But a man of value will give more than he receives.

Albert Einstein

この一節、一節が和訳されていくシーンが、とても魂を揺さぶりました。

(レポート・福西亮馬)

Q.今日の授業で印象深かったことは?

  • レモンの電池、英語、「物理、化学、生物」の話、炭素(フラーレン)の話──高1
  • レモン電池の実験は3回目だけど、何度やってもなんでつくのかとても不思議です。──高1
  • 物理から化学や生物に関係してくること。太陽光発電の公立を良くするために植物の事を応用すること。──中3
  • 動物プランクトンなどをもっと知りたい──小6
  • レモンはすっぱいけど、レモンの葉はどんな味がするんですか?──小6
  • すごく、将来への希望が膨らんだ時間でした。こんなに、自分のしたい事を追及して、研究されている最中の方に生で合えるのは、素晴らしいと思いました。「大事なことは、疑問を持つ事を止めないことだ」とアインシュタインの名言を知りましたが、本当に、そのことを忘れないで、夢を持って進んで行きたいと思いました。──高1

 

Q.今、自分が興味を持っていることは?

  • 僕はあまり生物は好きではないのですが、新しい物質などには興味があります。きっと先生の研究はいつかきっと成功すると思います。これからもがんばって下さい。──高1
  • 太陽光発電にどれだけの可能性があるのか興味を持っていたけれども、いろいろなコストがかかることがわかって少しショックを感じました。無機物と有機物を結びつけるという考えにすごく驚いた反面、確かに効率はいいだろうなということは漠然とはしているけれども納得しました。
  • ──中3
  • プランクトン(と書いて消している)──小6
  • レモン以外にも、電池にできるようなものはありますか?──小6

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