経済学入門

百木です。
11月22日(月)のご報告です。

ここ数回はマクロ経済学の基礎を扱いました。
マクロ経済学の基礎は以下の簡単な式で表せます。

Y=C+I+G

ここでYは国民所得、Cは消費、Iは投資、Gは政府支出を意味します。つまり国民所得(GDPのことです)は、消費と投資と政府支出の足し算でできているということですね。この基本式を考えたのがケインズという経済学者です。

景気が悪いときには国民所得(GDP)が下がりますから、景気を良くするためには(1)消費を活性化させる、(2)投資を活性化させる、(3)政府支出を増やす、という三つの手段があることになります。不景気のときにはどうしても市場の消費Cと投資Iが低迷するので、政府が公共事業を行うことによって政府支出Gを増やすのが良い、とケインズは考えました(やや考え方を単純化していますが)。
これをグラフで表すと以下のようになります。

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詳しい説明は省きますが、45度線で描かれている直線が総供給Ys=Yを表し、一次関数の直線が総需要Yd=C+I+Gを表しており、総供給曲線Ysと総需要曲線Ydの交点Eで均衡国民所得が決まります。このグラフが示しているのは、政府支出Gを増やしたときに(⊿G)均衡点がEoからE1へ移動し、国民所得がYoからY1まで増加した、ということです。要は「政府支出を増加させると国民所得も増加する」ということです。
やや専門的ですが中学レベルの数学が理解できればこの辺りまでは楽勝です。ここからさらに重要な「乗数効果」や「財政政策」などのトピックが出てくるのですがここでは割愛します。

このクラスは基本的にはニュース解説的なトピックを主に扱っているのですが、せっかくなのでこの数回はマクロ経済学の基礎にも触れていただきました。この辺りのマクロ経済学の基礎がわかると日々の経済ニュースもいっそう理解しやすくなり、ニュースを読む面白味が増すと思います。