0507 英語読書会

浅野です。

英語読書会の第8回です。

ハリーは自分が魔法使いであることや両親が自動車事故ではなくある魔法使いに殺されたことなどを聞かされることになります。内容が重く、英文自体も難しかったので今回はやや雰囲気が沈みがちでした。それでも今回の話を振り返りましょう。

ハリーはペチュニアおばさんに、自分が魔法使いであることを知っていたのかと聞きました。ペチュニアは当然そのことを知っていました。何せ妹(姉)のリリーが魔法使いだったからです。ペチュニアはリリーマグカップをネズミに変えたりするを変人だと思っていましたが、彼女の両親は違ったようです。

But for my mother and father, oh no, it was Lily this and Lily that, they were proud of having a witch in the family!

両親は「やれリリー、それリリー」といった具合で、家族の中に魔法使いがいることに誇りを持っていたのです。ペチュニアの魔法使い嫌悪には嫉妬も混じっているのかもしれません。

そしてリリーはこうなります。

if you please, she went and got herself blown up and we got landed with you!

二箇所ある”get(got)”に注目しましょう。一つ目の”got”は”I got my wallet stolen.”(私は財布を盗まれた)の使い方です。”(she) got herself blown up”なので「彼女は自分自身を”blown up”された」となります。”blow up”にはたくさんの意味がありますが、ここでは「爆破する、吹き飛ばす」でしょう。二つ目の”got”はbe動詞に限りなく近いです。受身形は通常、be動詞+p.p.で表現しますが、変化のニュアンスを強く出すためにbe動詞の代わりに”get”を用いることがままあります。”land”には受身形で「面倒を見る破目になる」という意味があるのでそれを採用しましょう。

驚いたことに、彼女は(魔法使い界に)行って吹き飛ばされ、そして私たちはお前の面倒を見る破目になった。

これには交通事故で自分の両親は死んだと聞かされていたハリーは驚きます。そしてハグリッドに事の真相を尋ねます。そしてハグリッドはこう言います。

I had no idea, when Dumbledore told me there might be trouble gettin’ hold of yeh, how much yeh didn’t know. Ah, Harry, I don’ know if I’m the right person ter tell yeh — but someone’s gotta — yeh can’t go off ter Hogwarts not knowin’.

ハグリッドの発言には方言が混じっていますが、”yeh”を”you”、”ter”を”to”だと思ってください。一文目はコンマで括られている部分(when … yeh)を括弧に入れます。その部分を無視すると「お前がいかに知らないかということを私には思いも及ばなかった」となります。括弧に入れた部分は「お前と接触するのに苦労があるかもしれないとダンブルドアが私に言ったとき」です。”there is trouble (in) ~ing”または”have troube (in) ~ing”で「~するのに苦労する」という表現です。

二文目の出だしは「おおハリー、私は自分がお前に話をするのに適任かどうかはわからない」といったところです。”but someone’s gotta”を標準的な表現に直すと”but someone has got to”となり、「しかし誰かがしなければならない」という意味になります。”have got to”で”have to”(~しなければならない)という意味を表すことは珍しくありません。音のリズムがよくなるためでしょう。最後の”not knowin'”は分詞構文です。全体の直訳を示します。

お前と接触するのには苦労があるかもしれないとダンブルドアが私に言ったときには、お前がいかに知らないかということがわからなかった。おおハリー、私は自分がお前に話をするのに適任かどうかはわからないけれども、誰かが話をしなければならない。こうしたことを知らずにお前はホグワーツへと出かけることはできないのだから。

こうしてハグリッドはハリーに大事な話をします。その話によると、およそ20年前に名前を呼ぶのもためらわれるほどの悪い魔法使いがいて、人を殺したりしていました。暗黒時代だったのですが、ホグワーツ魔法学校だけは安全な場所でした。

Reckon Dumbledore’s the only one You-Know-Who was afraid of. Didn’t dare try takin’ the school, not jus’ then, anyway.

“reckon”は辞書を引くと「計算する」という意味が最初に出てくると思いますが、ここでは”think”くらいの意味です。文全体が命令文ですね。二文目の”dare”は助動詞と動詞の中間です。ここでは直後に”try”という動詞の原形を取っている点で助動詞ですが、”didn’t”で否定形を作っている点で動詞です。”take”にはたくさんの意味がありますが、ここでは「占領する」でしょうか。コンマで括られた”not jus’ then”が意外にも難関です。”jus'”は”just”です。”not”と”just then”で分けるのか、”not just”と”then”で分けるのかで大きく二つの解釈ができます。前者では”not just then (but also always)”といった具合に「そのときだけでなく、ともかく常に学校を敢えて占領しようとはしなかった」になります。いわゆるnot only(just) ~ but also…構文です。後者では”(he did) not (dare try takin’ the school) just then”と補って、「ともかくも、ちょうどそのときには学校を敢えて占領しようとはしなかった」となります。

そしてその悪い魔法使いはハリーの両親を殺害することになるのですが、なぜかハリーを殺すことはできなかったようです。その話を聞いてハリーは何かを思い出しそうでした。

ここに来て、ヴァーノンおじさんが一言文句を言います。

I accept there’s something strange about you, probably nothing a good beating wouldn’t have cured — and as for all this about your parents, well, they were weirdos, no denying it, and the world’s better off without them in my opinion — asked for all they got, getting mixed up with these wizarding types — just what I expected, always knew they’d come to a sticky end —

彼は「お前に何か奇妙なところがあるのは認める」とのことです。その何か奇妙なところとはおそらく”nothing a good beating wouldn’t have cured”です。”nothing”の直後に”which(that)”を補うと、「十分な叩くことが治さないであろうことはない何か」つまり「十分しつければ治らないこともないような何か」です。

“as for ~”で「~に関しては」という成句なので、一つ目のダッシュ以降は「お前の両親についてのこうしたすべてのことについて関しては、奴らは変人だったのであり、それは否定できない。そして私の意見では奴らがいないと世界はもっと良くなるだろう」くらいです。

二つ目のダッシュ以降は正直よくわかりません。”asked for all they got”を分詞構文として”if I am asked for all they got”と読み替えるなら、「奴らが得たことすべてを求められるなら、こうした魔法使いタイプと交わったので、(奴らが得たものは)ちょうど私が予想していたものに過ぎなかった。つまり、奴らはみじめな死に方をするだろうと私はいつもわかっていたのだよ。」

これにはハグリッドも激怒します。ピンクのかさを突きつけられるとヴァーノンおじさんは黙りました。そしてハリーに聞かせる話を続けているところで今回はおしまいになりました。

次回は間隔が短いですが、5月14日(金)の18:40~です。