0219 英語読書会

浅野です。

英語読書会の第3回です。都合により先週と今週は連続開催で、次回は3月12日(金)の18:40~です。お間違えのないようにお気をつけください。

少しだけ残っていた1章を終わらせて、2章はMさんに担当していただきました。ハリーがそれと気づかずに示していた魔法使いの片鱗を探しながら読もうというテーマを設定していただきました。2章で最初に話題になったのは以下の箇所です。

Dudley’s favourite punch-bag was Harry, but he couldn’t often catch him. Harry didn’t look it, but he was very fast.

前半部は「ダッドリーのお気に入りのサンドバッグはハリーだったが、ダッドリーはハリーをそれほど捕まえることはできなかった。」という状況です。問題は後半部で、この”look”は”look at”ではないので「見える」と解釈して訳すと、「ハリーはそうは見えなかったがとてもすばしっこかったのだ。」となります。捕まえられそうで捕まえられないハリーを想像すると、これも魔法の片鱗かもしれません。

練習用に加工された文章ではなくリアルなままの文章なので私にもわからない箇所が多々あります。例えば”popkin”や”sweetums”といった単語は手近な辞書を引いてもなかなか見つかりません。文脈からして子どもに呼びかける言葉だとは推測できます。また、ハリーは”cupboard”に住んでいるのですが、私はそれを不思議に思いながらも「食器棚」だと思っていました。しかしイギリス英語で”cupboard”というと「戸棚」を指すのだと担当のMさんから教えていただきました。勝手な思い込みを修正できるというのも読書会の醍醐味です。

最後に文法的に難しかった箇所がありました。以下の文です。

Harry knew he ought to feel sorry that Mrs Figg had broken her leg, but it wasn’t easy when he reminded himself it would be a whole year before he had to look at Tibbles, Snowy, Mr Paws and Tufty again.

いつもダッドリーの誕生日には家族や友人とお出かけをするのだけれども、ハリーはのけものなのでフィグおばさんのところに預けられて、ネコの話ばかり聞かされるから嫌になるということがこの箇所以前にわかっていました。だから最後の固有名詞はネコの名前だと考えられます。

意味を取りづらかったのはbut以下です。まず最初の”it”は”to feel sorry … her leg”を指すことを確認しました。”he reminded himself”の部分を直訳すると「彼は自分自身を思い出させた」となりますが、自然な日本語にすると「彼は思い出した」くらいでよいでしょう。二つ目の”it”は時や天候を表すときに用いられる意味のない”it”です。その次の”would”が曲者で、私は最初、過去の習慣を表す用法かと思いました。これらを総合して全体を訳すと

ハリーはフィグおばさんが足を骨折したことを気の毒に感じるべきだということはわかっていたが、ティブル、スノーウィー、ポーズ、タフティーをもう一度見なければならなくなるまでに丸一年があったものだということを思い出すと、気の毒に感じることは簡単ではなくなった。

となるのではないかと思いました。しかし変な感じがします。そこでCさんが、”would”は単に”will”の過去形で、”remind”を「思い出させる」ではなく「気づかせる」で解釈するとうまくいくと指摘してくれました。その線で訳しなおすと次のようになります。

ハリーはフィグおばさんが足を骨折したことを気の毒に感じるべきだということはわかっていたが、ティブル、スノーウィー、ポーズ、タフティーをもう一度見なければならなくなるまでに丸一年(の猶予期間)があるだろうということに気づくと、気の毒に感じることは簡単ではなくなった。

こちらのほうがよいですね。そもそも”would be …”とbe動詞(状態動詞)が用いられているので過去の習慣と考えることはできません。過去の状態なら可能ですが、”would”にその用法はありません。

といったところで今回は時間になりました。一冊を読み通したいです。