今号の山びこ通信(2013/11/1)の記事を一つずつご紹介しています。(以下転載)

『かず6年/ユークリッド幾何/山の学校ゼミ(数学)』 (担当:福西亮馬)

『かず6年』では、「グリコ」と呼ばれる石段遊びで、「ぴったりゴールするにはどうすればいいか?」ということを数学的に考察しました。

詳細についてはブログの方に譲りますが、この日はいつものように問題を解くだけでなく、問題を自分で設定するということにも挑戦してみました。

たとえば、「歩数の種類が3歩と10歩だったら、51段以上のどんな場合でもぴったりゴールできるかどうか?」を知りたいと思い立ちました。それはすぐに「可能」だと分かったのですが、そこから少しずつ問題を拡張していきました。とりあえず使える歩数は2種類に制限しておいて、一つは3、もう一つはx(任意)として、そのxの値を変えてみました。結果、x=10~20は「可能」で、40以上は「不可能」だということが分かりました。

すると、次は自然と「20~40の間はどうなっているか?」ということが気になり始めました。ここで十分と思ってやめてもよかったのですが、こうなったらむしろ生徒たちの方が続投ムードで、考える姿勢を一向に崩しませんでした。そしてとうとう、x=27以上(注)で不可能となるという、一番知りたかった事実が判明しました。その間にも、色々な法則が副産物として見えてきました。

他にも自分たちで問題設定を変えてみました。「ぴったりゴールできなかった場合、折り返しを有りとすると?」や、「歩数の種類を3種類に増やすと?」といったことも、最初の予想とは異なる事実が発見できました。そうした取り組みをしめくくって、一言、「面白かった!」と生徒たちが言ってくれたことは何よりでした。

『ユークリッド幾何』では、『原論』の第1巻を読み切ることを目標にしています。今はその中腹あたりにいます。命題47と48の「三平方の定理」とその「逆」まで、あともうひと踏ん張りです。頑張りましょう。

また今学期は、『原論』の第5の公準(平行線公準)をトピックとして取り上げ、その際、4×4個の点を6本の線分による一筆書きで通る問題を考えました。そして平べったい世界を曲げてみることを紹介し、「当たり前」から「次の当たり前」へと発展してきた数学の歴史の一端にも触れました。数学が先人の作り上げてきたもの、あるいは有機的な知の財産であると感じてもらえれば嬉しいです。

『山の学校ゼミ(数学)』では、引き続き『虚数の情緒』(吉田武・東海大学出版会)を読んでいます。今は自然数、整数、有理数の章へと進み、三平方の定理の裾野である「ピタゴラス数」まで差しかかっています。『東海道中膝栗毛』ではないですが、一里塚を一つずつ通り過ぎていくように、同著をハンドブックにしながら、数学の光景を、自分の足(つまり手計算)で眺める旅をしています。

ひとまずの目標地点(『膝栗毛』で言えば伊勢神宮?)は、オイラーの公式  です。そこまで行って、ふと小休止した時の展望がどのように変わっているかが、今後の楽しみの一つです。

(福西亮馬)

(注)『山びこ通信』本文ではn=26となっていましたが、正しくはn=27でした。謹んで訂正させて頂きます。

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