『ギリシャ語初級講読(A・B・C)・中級講読』(クラスだより2013.11)

今号の山びこ通信(2013/11/1)から、クラスの様子をご紹介します。(以下転載)

『ギリシャ語初級講読(A・B・C)・中級講読』(担当:広川直幸)

ギリシャ語初級講読Aではソポクレースの『オイディプース王』を今学期から読み始めた。テキストはLloyd-JonesとWilson校訂のOCTを基本にしてJebbとDaweのテキストと註釈を併せて用いている。古典を読むということは多かれ少なかれ本文批判に関わるということなので、その訓練として異読(varia lectio)や学者の推定読み(conjectura)を注意深く検討しながら少しずつ読み進めている。

ギリシャ語初級講読Bでは前学期にプラトーンの『饗宴』を読み終えたので、今学期からプラトーンの『パイドーン』を読み始めた。テキストと註釈はBurnetとRoweを併用している。二週に一回の授業で今のところ一度に2ページ程度のペースで進んでいる。前学期までの『饗宴』は一回に3ページ程度進むことができたので、内容は難しいけれども、それを目指して少しずつペースを上げて行こうと考えている。

ギリシャ語初級講読Cでは『新約』の「マルコによる福音書」を読んでいる。昨年秋に出版直後のNA28をドイツ聖書協会から取り寄せて読み始めてから一年が経った。この原稿を書いている時点で第14章の終わりまで進んだので、残り数回の授業でめでたく読了である。この授業には高校生が参加している。高校生がネストレ版で「マルコ伝」を通読するのは快挙である。おめでとう。

ギリシャ語中級講読は『イーリアス』第6歌を一回に30行程度のペースで読んできた。もうすぐ読み終わるので、その後は『イーリアス』第18歌を読む。テクストはM. L. West校訂のトイプナー版を、註釈は2010年にイタリアで出版されたG. Cerri, Omero, Iliade, Libro XVIII: Lo Scudo di Achilleを用いる。

(広川直幸)