今号の山びこ通信(2013/6/17)から、クラスの様子をご紹介します。(以下転載)

 

『ギリシャ語初級・初級講読・中級講読』(担当:広川直幸)

今年度の入門の授業は「ギリシャ語初級」という名称で開講した。受講生の希望で一年間で終わるコースにすることになったので、水谷智洋『古典ギリシア語初歩』(岩波書店)を教科書にして、一回に一課のペースで進めている。一年36回の授業で、教科書全36課を終える予定である。パラダイムの暗記を怠っていてはそのうち破綻するのでしっかり覚えていただきたい。

初級講読Aでは『オデュッセイア』を読んでいる。一度に50行程度進んでいる。80分の授業ではこれぐらいが限度であろう。もうすぐ第3歌が終わりテーレマコスの冒険も残すところ第4歌だけとなった。今学期は第4歌の途中まで進む予定である。

初級講読BではLouise Pratt, Eros at the Banquetを用いてプラトーンの『饗宴』を読んできた。現在、アルキビアデースによる破廉恥な打ち明け話を読んでいる。つまり残りあとわずか。今学期でめでたく読了である。二週に一回という授業形態が幸いして、一度にかなりの分量を読むことができたので、なかなか充実した授業であった。来学期からはプラトーンの『パイドーン』に挑戦する。

初級講読Cでは今学期から新たに受講生一名を迎えて受講生三名で『新約』の「マルコによる福音書」を読んでいる。これを書いている時点で第9章の終わりまで進んだ。マルコのギリシャ語は下手であるとはよく言われるところであるが、時としてギリシャ語として成立していないレベルなので、技巧を凝らした文学を読むのが難しいのとは逆の意味で難しい。なお、この授業には復元式発音で読む受講生と現代式発音で読む受講生が混在しているので、聞く耳のある者には良い刺激になるであろう。

中級講読は前学期までトゥーキューディデースを読んでいた枠である。今学期は受講生が入れ替わったので、「ヘクトールとアンドロマケーの語らい」で有名な『イーリアス』第6歌を読み始めた。一回に30行程度のペースで進んでいる。テクストとしては一応ケンブリッジの黄色と緑のシリーズの最新の注釈を指定したが、筆者の見解を述べずに他所を参照せよという記述が多く、なおかつ一昔前では考えられなかったような初歩的な間違いが散見されるので、参考になるところだけを拾い読みすれば十分である。

(広川直幸)

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