ラテン語初級講読(クラスだより2013/6)

今号の山びこ通信(2013/6/17)から、クラスの様子をご紹介します。(以下転載)

 

『ラテン語初級講読(A~C)』(担当:山下大吾)

前学期までキケローのみを担当していた私の講読の授業に、前川先生が担当されていた授業を引き継ぐ形で、今学期から新しくセネカが加わりました。現在Aクラスではキケローの『老年について』、Bクラスではセネカの『倫理書簡』、Cクラスではキケローの『スキーピオーの夢』を読み進めております。いずれの授業も初級文法を終えたレベルで受講可能ですので、興味を持たれた方は是非ご連絡ください。

Cクラスは日曜の昼下がりに開講されております。その中で読み進める夜の夢の世界は、対照の妙も相まってより鮮やかに浮かび上がってくるようです。

Bクラスでは哲学に勤しむことの必要を説く53書簡を読み終えました。「全身をあげて哲学に捧げたまえ」、「哲学を大切にしたまえ」…。あの冷静沈着なチェーホフもその例にもれませんが、つい説教口調に筆が傾きがちになってしまうのは、書簡というスタイルの持つ避けがたい魔力の所為なのでしょうか。

Aクラスでは開講以来、『友情について』、『スキーピオーの夢』、『カティリーナ弾劾』と、比較的コンパクトにまとまっており、またその内容や修辞的側面から見ても第一級と認められているキケローの作品を読み進めてきましたが、今回の『老年について』が一連の総仕上げと位置付けられます。受講生のお二方、AさんとHさんのラテン語やキケローに対する熱意に支えられ、このクラスは私が担当するようになって以来今学期で4年目に入りました。そもそもこの授業も前川先生から引き継がせて頂いたものです。形式的な引き継ぎに留まらず、山の学校の初期からその教育に携われてこられた先生の情熱をも、正しい形で受け継いでいかなければと思いを新たにしております。

(山下大吾)