かず4年B(0125)

福西です。

この日は、『足し算ズル』の3級の問題を見本にして、1~7までの数を使う場合の研究をしました。(この日はS君がお休みでした)

足し算パズルは以前ご紹介したこともありますが、3マスまでなら1~3の数まで、4マスなら1~4までの数を、一つずつ理詰めで埋めていきます。それの7マス版です。

マス目が増えると、考えるパターンが飛躍的に増えるので、格段に難しくなります。3マスの問題なら、1問を解くのに1分もかかりませんが、7マスだと30分かかることもざらです(途中で考え間違いをしていることに気付くと、さらに)。

 

(解けないつもりで)見本に持ってきた問題だったのですが、実は生徒たちの手にかかると、とうとう最後まで解かれてしまいました。

私が当初描いていたストーリーでは、「やりたい」と言ってやってみる→難しいと分かる→そのための「工夫」をみんなで考える…だったのですが…。

20分ほどたったときにSちゃんの手が止まり、「…できた(かもしれん)」と一言。

他の二人が「え、ほんと?」と、しーんと見守る中、見事Sちゃんの答が合っており、「おお~」と名誉を勝ち得たような瞬間でした。

そして、「できるんや」という先鞭がつけられて、俄然闘志に燃えたT君とR君も、続いてねばり強く答を完成させてくれました。(結局その日はその問題を解くことがメインとなりました)。

 

そして解けた人から、「それじゃあ、次はこんなことを考えてみよう」と、次の課題を出しました。

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「2」の場合

足し算がないことがポイントです。(もしあるとしても、1+1しかない。そして同じ数字は使えないので、これはない)

なので、引き算のみで考えることになります。つまり、

「3-2」「4-3」「5-4」「6-5」「7-6」

の計5パターンです。

そして「もうこれ以上は考えなくてもいい」と結論づけられることが重要です。(もしあるとしても8-7ですが、数は1~7までなので、これ以上はない)。

このように上限と下限をおさえることで、すべての場合を「余さず考えた」ことになります。

同様に、「3」について、「4」について・・・と考えていきます。

最初はこのような思考を書きだすことは「面倒臭い」かもしれませんが、分かってくると機械的に考えることができます。(そこに算数を得意になるコツがあると、そう私は個人的には考えています。)

 

「3」の場合

足し算は、「1+2」の1パターン。(理由:0以下は使えないから)

引き算は、「4-1」「5-2」「6-3」「7-4」の4パターン。(理由:8以上は使えないから)

以上、計5パターン。

 

「4」の場合

足し算は、「1+3」「2+2」が考えられるが、「2+2」はルールでだめとなっているので、「1+3」の1パターン。

引き算は、「5-1」「6-2」「7-3」の3パターン。

以上、計4パターン。

 

ほとんど同様ですが、「2+2」という特殊なケースがあることが注意です。また、先の「3」の場合と1ずらして、「5-1」から考えられることが、数学的思考を養成していることになるかと思います。(当たり前は、最初から当たり前ではありません。自分の頭のフィルターを通して、はじめて「当たり前」にできるようになります)

 

数学の基本は、このような「数え上げ」と「場合分け」です。以下、「5」の場合、「6」の場合…と続けていくわけですが、コツを見いだせた生徒は、最後まで究明することにやる気を見せてくれました。面倒臭いと言わなかったことが偉かったです。

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(こんなふうにコツコツと自分で手を動かして調べ上げてくれました)

 

そしてT君があることに気付いてくれました。

発見1 「数が大きくなるにつれ、パターンは減っていく」

T君は「1パターンずつ減っていく」と最初思ったのですが、実際に確かめると、そうではないことが分かります。(「3」は5パターン、「4」は4パターン。でも「5」も4パターンです)。しかし、同じか、減っているということは間違いなく、こういうのを「単調減少」という言葉で習います。(高校の積分のあたり)

 

次に、もう一つ発見がありました。

発見2 「大きい数になると、足し算しか可能性がなくなる」

具体的には「7」以上がそれにあたります。足し算パズル(実際には引き算も入る)は、マス目の大きな問題では、足し算か引き算かの二種類の可能性を考えなくてはいけないところが難しいのですが、このように分析すれば、より簡単に問題をとらえることができます。

 

発見3 「「14」以上はない」

もちろん2マスの場合は、ですが、その理由を考えられることも重要です。

「13」には、6+7の1パターンがあります。それを実際に確かめた人は、「14」はないことがおのずと分かるでしょう。

 

さて、2マスの場合は「14」はないわけですが、マス目の形を変えると、ありえることになります。しかも、

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のような形では、「爆発的」に増えることになります。そのことについて、次回は考えます。