0304 数学高校

浅野です。

高校では学期末の試験が行われる時期になりました。

Kさんは翌日に試験を控えて、微分・積分の範囲で問題集を進めました。微分では増減表をかく、あるいは逆に極値から元の関数を求めるといったところまで理解できたように思います。これで微分の最初の基礎はできたと言えます。

残りの積分や分数関数、無理関数については時間の都合で確認することができませんでした。積分は計算ができて面積を求めることができればよく、分数関数と無理関数はグラフがかければよいです。試験前になるとどうしても時間が足りなくなるのがつらいところです。遠回りのように見えても、長期休暇などを活用してこれまでに学習した範囲の理解を深めておくことが時間の節約にもつながるような気がします。それが当たっているなら、数学では後に習う範囲ほど楽に感じられるはずです。

Cさんは微分に関してただ単に問題を解くだけでなく、3次関数の性質についての考察を深めています。

今回話題になったのは、ある3次関数がその関数上の任意の点について対称となるようなこの関数上の点の座標を求めよという問題でした。

模範解答は求める座標を(k, f(k))とおき、関数上の任意の点を(x, y)、その点と対称の点を(x’, y’)として関係式を作り、軌跡の考え方で解いていました。これでもよいのですが計算が煩雑です。

教科書にはちらっと「極大値と極小値の中点はその関数上にある」と書かれていました。これが真実なら上記の問題で求める座標は極大値と極小値の中点になり、計算が非常に簡単になります。

ただ、証明抜きでその性質を使うのは気持ち悪いので、この日家に帰ってからいろいろと考えていたら変曲点の性質からそのことが言えるのではないかと思いつきました。数Ⅲの範囲なので数Ⅱの教科書で詳しく触れるわけにはいかなかったのでしょう。以下のサイトがわかりやすいです。

変曲点の性質

リンク先の追記には「3次関数のグラフが描けても、グラフそのものの持つ美しい性質に目を向ける生徒は少ない」と書かれています。Cさんはその少ない生徒なのですね。

Aさんからは3次関数の範囲が指定されたときの最大値を場合分けして求める問題について質問を受けました。問題の解答・解説では天下り的に記述されているので、なぜその場合分けで過不足なく網羅できているのかがわかりづらいことでしょう。シンプルに考えると、最大値を取るのは指定された範囲の左端か右端か極大値しかあり得ないので、通常は3通りの場合分けが必要です。考え方は同じですが、場合分けを事前にするのではなく、左端、右端、極大での関数の値をそれぞれグラフ化して、その3つのグラフの中から一番値が大きいものを結んでいくという視覚的なやり方もあります。どちらの解答方法でもよいと伝えると納得してくれたようです。