11/20 ことば2~4年

岸本です。

今日、およそ半年かけて読み続けてきた『マツの木の王子』を読了しました。

 

当初は、いつも通り漢字迷路などをやるつもりでしたが、子供さんが「もうすぐ終わりだし、早く読もう」と言ってくれたので、今回は全ての時間を読解に費やすことになりました。

サーカスから捨てられたマツの木の王子とシラカバの少女は、陰気ながらくた置き場に放置されます。

ものがなしい雰囲気に、シラカバの少女は弱音を吐きますが、そんな場所でも二人が一緒にいることが、「いちばんだいじ」なことだとマツの木の王子は告げるのです。

陽気なサーカスにいながら離ればなれだった時との対比がここで際立ちますが、子供さんもしっかりその点に気づいてくれていました。

 

さて、そんな二人を救い出したのが、サーカスに来て暮れていた子供たちでした。

二人が捨てられたと聞いた彼らは、陰気ながらくた置き場まで二人を探しに来てくれたのです。

子供たちは二人を見つけると、自分たちの遊び場に連れてきて、「ゆりうま」として使ってくれました。

本を読んでいた子供さんは、子供たちの遊び場ががらくた置き場と対照的な、明るい生気に満ちた空間であることをしっかりと読みこめていました。

草花が生い茂る子供たちの楽園で、二人一緒に過ごせる。マツの木の王子とシラカバの少女にとって、最高の幸せでした。

何年もたって、子供たちも大きくなると、二人は生まれた地を懐かしむようになります。

子供さんは、この時に「シラカバの少女」とは書かれず、単に「シラカバ」とだけ書かれていることに気づいていました。

やさしい庭師のおじさんが、そんな二人を燃やし、煙として故郷に帰らせてくれました。

燃やされて煙になっても、二人はいっしょだというところが印象的でした。

物語は、煙が故郷まで風にふかれてくるところで終わります。静かですが、心に残る終わり方になっています。

 

150ページ、しかもほとんど文字しかないこの本を、子供さんは初めからきちんと読み終えてくれました。

まずはこの点をほめてあげたいと思います。

残りの時間は、この本の感想を作文用紙に書いてもらうことにしました。

その際、物語を振り返りながら、全体を四つの場面に分け、それぞれが「起承転結」となっていることを確認しました。

これから自分で物語を作っていく際の、参考にしてもらえればと思います。

感想文で、彫り物師のおじいさんの家の場面が印象的だったことを、子供さんは書いてくれました。

木の動物が動き回る不思議さに惹かれ、さらにその理由がジプシーのまじないによるものだったとわかって、さらに驚いたからだそうです。

時間の都合上、あまり多くは書けませんでしたが、数か月前に読んだ話を覚えているほど、強烈なインパクトがあったのでしょう。

子供さんにとって、豊かな読書体験だったのではないでしょうか。

また時間があるときに、このお話を読み返して、初めて読んだときは気付かなかった点に新たに気づくことで、読書をもっと豊かにしてくれればと、思います。

 

来週は、9月分の補講です。

前から子供さんの要望があったオリジナルなお話づくりに本格的に挑戦してもらおうと考えています。