1112 数学高校

浅野です。

Kさんは前回の授業時に、数列はわかるような気がするけれども実際に問題を解いてみないと自分がわかっているのかわかっていないのかがわからない、と言ってくれていました。謙虚に自分の状況を把握していることが窺えます。ということで今回は数列の範囲で典型的な問題を作ってきました。時間の都合で等差数列までしかできませんでしたが、どこまで理解できているかがはっきりしました。等差数列の和がわかりづらかったようです。もちろん教科書には公式が書いてあるわけですが、それに当てはめるよりも自分の頭でわかるように書いたほうがよいです。

例えば1+2+3+…+10を求めたいとします。その求めたい値をSとすると

S=1+2+3+4+5+6+7+8+9+10

と書けます。次はそれは逆から

S=10+9+8+7+6+5+4+3+2+1

と書きます。この2つの式をたし合わせると

2S=11+11+11+11+11+11+11+11+11+11
2S=11×10
2S=110
S=55

とSを求めることができました。このように書くと一目瞭然です。物理学者のガウスが小学生のときに教えられてもいないのにこの考え方を示して算数の先生を驚かせたという逸話があります。

Cさんはしばらくベクトルの範囲が主ですが、今回も計算に悩まされました。三元一次連立方程式(未知数が3つで式が3本の連立方程式)を解く機会がしばしばあるのですが、その計算に手間取っていました。やり方は間違っていないのにどこかで計算間違いをしてしまっていたのです。この種の問題ではあまり式をこねくり回さないで、代入法でまず一つの文字を消すことが先決です。そうすると見慣れた二元一次連立方程式になります。このやり方なら未知数がどれだけ増えようとも式の本数さえ足りていれば必ず解くことができ、プログラムでコンピュータに解かせることさえできます。

Aさんは引き続きベクトルの総合問題をこちらで用意し、それを題材にしてやり取りをしました。本当に基本はしっかりできていますし、何より自分がどこまで理解しているかを把握しているのが頼もしいです。今回は「△ABCにおいて、APベクトル=sABベクトル+tACベクトル、s+2t=3, s≧0, t≧0を満たす点Pの存在する範囲を求めよ」という問題で、s+2t=3を3で割って1/3s+2/3t=1とする手順は何となく覚えているけれどもなぜそうするのかがよくわからないとの質問です。詳細は省きますが、その手順で進める理由はベクトルの内分点の公式を逆に用いるためです。