かず4年B(10/12,19)その2

福西です。(前回の続きです)。

 

次に、週をまたいで、2回戦をしました。1回戦では机の上にカードを並べてしたのですが、今回はゆえあって机を端によけ、じゅうたんの上でしました。さらに、今回はオークションなしで、最初から4色全部を4人の生徒に配り切りました。つまり、各人、色が混ざった状態の25枚ずつを持っていることになります。

 

前回の記事には書いていなかったのですが、実はルール5~7には不備がありました。というのは、持っているカードが何であれ、うまく順番を並びかえると、全部家に使うことができてしまうのです。(その家は、一階に一枚ずつの「塔」になります)。つまり、これを実現してしまうと、4人とも最初から25点ずつ得ることになります。そして、このままでは、4人とも「同点」です。

 

しかし、ここから面白いことが始まりました。まず、全員25点という状況を脱却するために、T君が、「同じ枚数で、色を交換しよう」ということを提案しました。つまり、「ぼくは黄色を集めている。君は?」というように、聞いて回ったのでした。追加ボーナスの25点をねらったわけです。そのために、「数字はなんでもいいから、そっちの黄色3枚と、ぼくの緑3枚とを交換しよう」と。T君が交渉を成立させると、T君だけでなく、相手の色もそろい出すという点がミソでした。こうやって、T君を中心にどんどんとカードの入れ替えが始まりました。

 

ところが、自分がほしい色の枚数と、相手のほしい色の枚数とは、「いつもぴったりに」、というわけにはいきません。1枚足りなかったりして、そこに不公平が生じます。そこで、「あっちの人から一時的に足りない一枚分を借りてきて、それをこっちの人に渡す」ことや、「その一時的な一枚のために、あっちの人とも交換する」というような、「4人全体の中での交換」を考える必要が出てきました。

 

さて、そうこうするうちに、手元のカードの色が、完全に単色に組み変わりました。これでボーナスの25点が入り、4人とも、それぞれ50点の家ができました。けれども、この時点でも、最初の「全員同点」という状況からは脱していません。

 

そこで、それまでのやり取りで意気投合したのか、T君がR君に「仲間になろう」と呼びかけました。するとR君も「いいよ」と応じ、ここに「チーム」が誕生しました。カードを混ぜてもいいの? という心配がありますが、実は、ルールをよく読むと、それが認められていることに気づきます。

 

つまり、ルール10の、「同じチームのメンバーは、全員そのチームの点数となります」という下りから、二人のカードを合わせても問題ないことが分かります。さっそくT君R君チームは、2人分のカードを組み替えることで、50枚の家と、2色についてのボーナス50点で、100点の家を作ることができました。

 

こうなると、話は一気に加速します。2人で可能なことは、3人でも可能です。そして4人でも!

 

というわけで、最終的には、4人がすべてのカードを持ち寄って、1枚ずつ重ねていく状況が生まれました。そして100枚を全部使ったことによる100点に、4色のボーナス25×4=100点で、合計200点! そうです。200とは、これ以上ない、このゲームでありうる最高の得点です。(なぜなら、使用するカードを全部使って作り出した状況に勝る状況はないからです)。さらに、チームの点数は、メンバーの点数でもあるので、全員が各自200点となり、とどのつまり、全員が1位です(笑)!

 

さて、「全員が」という点では、それまでの状況と変わりないように思えます。ですが、200点は究極の点数です。つまり、相対的な一位ではなく、絶対的な一位となります。そこが、それまでとは違う状況かなと思われる点です。そして、その結末といえば、おそらくこれ以上望むべくもないベストなものだったろうと感じます。このように、「前提を疑うこと」(またはルールを再解釈すること)で、「ありえないと思える状況を実際に作り出すことができる」ということを、この目で見て確かめたのでした。

 

そういうわけで、この日は会心の笑みを浮かべながら、みんなで家路につくことができたのでした(^^)。

 

追記)

授業では、実際のところルール5~7に不備がありましたが、次のルールを追加すると、よりゲーム性が増すと思います。もしご興味を持たれた方は、これをたたき台にご自身でもよりよい変更をお試みになってください。

 

14)

連続する階の色の変更は、以下の4パターンのみ認めます。

赤→黄

黄→緑

緑→青

青→赤

 

おそらくこれで、手札をすべて家に使えるという状況はなくなるかと思います。