「西洋の児童文学を読むA」では、つぎは『王への手紙』を読みます!

福西です。

いま読んでいるテキストは、まだ1/3ほどありますが、次のテキストをお伝えします。

『王への手紙(上)(下)』(トンケ・ドラフト、西村由美訳、岩波少年文庫)です。

スタートは、2021年10月14日か21日を予定しています。

(今読んでいるテキストの進捗によります)

 

『王への手紙』は、各章10ページ前後という抑制の効いた構成です。テンポよく、読みだしたら最後まで読んでしまいたくなること、請け合いです。

ティウリは、夜中に「助けをたまわりたい!」という声を耳にします。ところが彼は、騎士になるための試験の真っただ中でした。あと一夜の我慢で念願の騎士になれる──彼はしかし、騎士の資格よりも、騎士の任務を選択します。そうしてティウリの物語は始まります。

最善を尽くすとはどういうことか。難局のたびに、ティウリは悩みます。けれども一度選択したらもう振り返りません。多弁を弄さない先輩騎士たちと若いティウリとの格調高い会話は、ハラハラします。おそらく読者は「手に汗握る」とはこのことだと思うことでしょう。

内容レベルは中学生ですが、ゆっくり読むので、小学5~6年生のみなさんにも満を持してお勧めします。

ぜひ一緒に読んで、ティウリを応援しましょう!